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オプジーボ:他のがん免疫療法との併用時の注意点

他のがん免疫療法

厚生労働省から、2016年7月28日に「がん免疫細胞療法と免疫チェックポイント阻害薬との併用について(注意喚起)」という事務連絡が出ています。

これは、再発非小細胞肺がんで、オプジーボ投与による死亡例が出たためです。

症例は、2年前にがん免疫細胞(AKT-DC)療法を19コース受診後、両側多発リンパ節転移、胸膜播種、骨転移を認めたため、化学療法(カルボプラチン+ペメトレキセド)後、胸痛を発症、半合成麻薬オキシコドンを
投与されていた方です。

今回、オプジーボ(3mg/kg/day)の投与を受けた23日後に、別の医療機関でがん免疫細胞(αβT細胞)療法を受けた結果、リンパ節転移巣が縮小し始めたものの、劇症型心筋炎が疑われる心不全に至り死亡したという経過でした。

今回の患者様は、オプジーボ投与前に既に自己免疫疾患の問題をかかえていたかどうか不明ですが、十分な注意が必要です。

弊社では、自家がんワクチンの院内調剤による提供開始以来、自己免疫疾患がある/疑われる患者様には、
自家がんワクチン投与前から、すでに自己免疫疾患があると疑われる場合は、絶対に自家がんワクチンを投与しないで下さい。強い免疫刺激力のため、自己免疫疾患を増悪させる可能性があります。
→ http://cell-medicine.com/howto/timing.html
と厳重に注意して参りました。

それを守っていただければ、大きな問題となる副作用発生を、極力、回避できるのではないかと思われます。

実行には慎重さを要しますが、今後、自己免疫疾患の疑いがないことを確認の上で、今回のような高用量ではなく、低用量オプジーボとの併用にすれば決して怖いものではないと考えられます。

ぜひ、先生のお手元で、
自家がんワクチンによる「アクセル・オン」
      「低用量」オプジーボによる「ブレーキ・オフ」
という戦略が奏功するように工夫してみて下さいますよう、お願い申し上げます。

(→ アクセル・オン/ブレーキ・オフ戦略について、詳しくは、
http://cell-medicine.com/
のページの下段の「お知らせ」欄をご覧ください)

また、既に、この戦略を実行した症例報告論文(Ref. 1)が出ています。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ccr3.596/epdf
から無料でダウンロードできますが、別刷が必要な先生は、ご遠慮なく弊社までご連絡下さい。

Reference

1. Tatsu Miyoshi, Tatsuji Kataoka, Atsuko Asahi, Takashi Maruyama, Rika Okada, Yoji Uemae, & Tadao Ohno: A transient increase and subsequent sharp decrease of chemo-refractory liver-metastasized uterine cervical small cell carcinoma to autologous formalin-fixed tumor vaccine plus anti-PD-1 antibody. Clinical Case Reports 2016; 4(7): 687–691.