がん免疫療法後に起こる“ニセの増悪” 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

オプジーボやキイトルーダ等の免疫チェックポイント阻害剤の成功を受けて、がん免疫療法は本邦でもさまざまながん種に適応が広がって参りました。

しかし、ときどき、これらのがん免疫療法でも、一見すると奇妙な現象が観察されています。

それは、
.　pseudo-progression（スードプログレッション）
と言われているもので、がんの放射線治療の後でも観察されています。

脳腫瘍の放射線治療後のスードプログレッションについては、

→　こちらのページに詳しい解説が出ています。

スードプログレッョンは、「偽増悪，擬似進行」と和訳されているように
.　“ニセのがん増悪現象”
です。

放射線治療や、がん免疫療法が、実際には効いているのに、腫瘍マーカーや画像上で判断すると、がんが大きくなったように見える現象で、ホンモノのがん増悪と区別がつかないことが多く、厄介です。

じっと我慢して観察を続けていけば、やがて、がんが小さくなりだしますので、初めてスードプログレッションだったのか、と気が付くほどです。

実は、弊社の自家がんワクチン療法でも、このような症例があります。

弊社のホームぺージのうち、肺がんのページに掲載した
〔症例0144〕の腫瘍マーカーの変遷図
をご覧ください。

→　こちらです

胸水混濁アデノカルチノーマ姑息的手術症例。腫瘍マーカーであるCEAとCYFRAがワクチン接種後（2004.09～10）一時上昇した（！！これがスードプログレッションと考えられます。CEAでは3ヶ月間もありました）。

それにもかかわらず、接種3ヶ月後からCEAは減少しはじめ７ヶ月間減少し続けています。この間、他療法は一切行っていないため、腫瘍マーカーの減少は明らかに自家がんワクチンによるものです。

また、小野薬品工業の医療者向けホームページにも、
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Pseudo-progressionはがん免疫療法の施行時に起こることがあります。

Pseudo-progressionは抗腫瘍免疫応答の活性化を反映している可能性があります。病勢進行が臨床的に確認されるまで、pseudo-progressionを考慮する必要があります。

https://www.immunooncology.jp/medical/clinical-expectations/pseudo-progression-and-io.html
—————————–
と明記されています。

どうか、弊社の自家がんワクチン療法も含め、がん免疫療法後、例えば画像上のがんのサイズが少し大きくなったからといって、すぐに無効だったと判断されませんよう、スードプログレッションに十分ご注意願います。

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自家がんワクチン療法は、しっかりした学術論文群に支えられている科学的根拠のあるがん免疫療法です。学術論文群は、→　こちらにあります。

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