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がん細胞のアポトーシス(自死)抵抗性を弱めて死なせるがん治療法

最新の学会から

一般的には、がん細胞はどんどん増える一方で、細胞が勝手に死ぬことはない、と受け止められていますが、実はそうではありません。体外で培養し観察していると良く遭遇しますが、がん細胞集団全体では極めて順調に増えていても、突然に死んでいくがん細胞が一部には必ずいます。

これはがん細胞自身が自壊するように死んでいく現象で、アポトーシス(自死)と呼ばれます。実は、正常細胞にもこの現象を起こす機能はあり、典型的な例として、オタマジャクシがカエルになるときの尻尾の細胞で大量に観察されます。

そこで考えられたのが、がん細胞でアポトーシスが盛大に起こるようにしてやれば、がんは縮小するはずだ、というものです。

実際に、抗がん剤や放射線で治療すればがんは小さくなり、その際には、がん細胞がアポトーシスを起こしていることが観察できます(細胞核がバラバラにちぎれていくような形に変化しますので、顕微鏡観察でわかります)。

しかし、それでもがん細胞の中には、アポトーシスを起こさずに生き残り、増え続けていくものがいるのが問題です。つまり、アポトーシス抵抗性を獲得する機構を備えているのです。

このアポトーシス抵抗性となる機構はまとめてInhibitor of Apoptosis Proteins (IAPs)といわれるタンパク群で、アポトーシスを実際に起こすカスパーゼという酵素を阻害し、突然起こるアポトーシスから細胞を守る役割を担っています。

低分子薬剤、Debio 1143 は、このIAPsを阻害することが知られており、アポトーシスを阻害するタンパクを阻害することによって逆にアポトーシスを促進させ、例えばがん細胞の放射線感受性を増加(放射線照射で死にやすく)させてしまいます。また、抗がん剤シスプラチンの効きやすさも増加させます。

この作用を頭頸部扁平上皮がんの治療に応用した臨床試験の成績が、このほど著名なLancet Oncology誌に発表されました(Ref. 1)。

対象は、喫煙者ばかり96例で、全員、標準治療となるシスプラチン投与を受けつつ、うち、半数がランダムに割り付けられ、Debio 1143を服用しています。

結果的に、がんが増悪しない症例が増加、18ヶ月後の無増悪生存率で見ると、Debio 1143群が54%、対照群が33%で、有意差がありました(p=0.026)。

この結果は、これまでにない新しいがん治療戦略
.    「アポトーシス促進法」
が有用であることを、臨床試験で初めて示したものです。

そして、当然ながら、アポトーシスを起こしたがん細胞は絶好のがん抗原供給源となりますので、この新戦略とがん免疫療法の組み合わせ治療法が、次の段階では検討されていくことと考えられます。

Reference

1.Sun XS, Tao Y, Le Tourneau C, Pointreau Y, Sire C, Kaminsky MC, Coutte A, Alfonsi M, Boisselier P, Martin L, Miroir J, Ramee JF, Delord JP, Clatot F, Rolland F, Villa J, Magne N, Elicin O, Gherga E, Nguyen F, Lafond C, Bera G, Calugaru V, Geoffrois L, Chauffert B, Zubel A, Zanna C, Brienza S, Crompton P, Rouits E, Gollmer K, Szyldergemajn S, Bourhis J.
Debio 1143 and high-dose cisplatin chemoradiotherapy in high-risk locoregionally advanced squamous cell carcinoma of the head and neck: a double-blind, multicentre, randomised, phase 2 study
Lancet Oncol. 2020 Sep;21(9):1173-1187. doi: 10.1016/S1470-2045(20)30327-2. Epub 2020 Aug 3.

 

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