mRNAがんワクチン開発の現状 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

mRNAがんワクチン開発の現状

最新の学会から 

8月21日に岸田総理大臣が新型コロナに感染したことが世上の話題になっています。当然ながら岸田総理は新型コロナワクチンを4回も接種されています。

それでも感染したことは、ワクチンが効かない新型コロナウイルスの変異株が原因であることを示唆しています。

総理大臣が受けた新型コロナワクチンはmRNAワクチンで、ウイルスのスパイクタンパクに結合する抗体を体内で誘導するものです。

今やほとんどの方がご存知のように、mRNAワクチンは安全性が高く、抗体誘導能も非常に高いことが特徴です。

この開発以前から、mRNAワクチンをウイルス感染症だけではなく、がん治療に応用できないかと検討されてきました。

いや、むしろ、mRNAがんワクチンの研究が1995年頃から延々と続けられてきていたものを(Ref.1)、ビオンテック/ファイザー社と、モデルナ社が新型コロナワクチンの開発に応用し、わずか1年で開発に成功したというのが実態です。

新型コロナ向けのmRNAワクチンが世界で最初に米国FDAで緊急使用許可がでたのは2020年12月のことですから、がんに対するmRNAワクチンの効果がどうなっているのか、そろそろ新しい話題として漏れ出てきても良い頃です。

そこで、調べてみたところ、現状はどうやらそう簡単なものではなさそうです。

筆者がこの話題に接触したきっかけは、米国国立がん研究所からの一般向けニュースの最新版でした。

最新版といっても今年1月20付で、
“Can mRNA Vaccines Help Treat Cancer?”
(mRNAワクチンはがん治療を助けられるか)
→ https://www.cancer.gov/news-events/cancer-currents-blog/2022/mrna-vaccines-to-treat-cancer
となっています。

このニュースでは、患者一人一人のがん生検材料から異常なタンパク(ネオアンチゲン)に対応するDNAの塩基配列を見つけ、mRNAを合成、mRNAがんワクチンにして投与するのに、わずか「6週間」でできるとしています。

頭頚部がん10症例中、2例でがんが消滅(CR)、5例で縮小した(PR)そうですから、驚異的な成績です。ただしこの第1相試験では、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が併用されています。

ICIが効かない大腸/直腸がんでは、当初の症例では有効性はみられなかったとしていますので、mRNA頭頸部がんワクチン自体の評価はまだペンディング状態です。

もしかしたら、ICIとの相乗効果を引き出す作用が必要条件なのかもしれません。

現在40例まで患者数を増やしているとのことですから、まもなく論文として発表されるでしょう。

新型コロナウイルスも、がんも、未知の変異株対策が重要です。遺伝子を調べれば、新型コロナウイルスの変異株の検出は比較的容易ですが、がんでは、同じがん種でも患者一人一人でがん細胞の変異株が異なる上、極端には、一つがんの塊の中でさえ異なる変異がん細胞がいることが知られています(Ref.2)。

これら全てに対応するmRNAを合成し、mRNAがんワクチンとして患者に投与するのはたいへんです。

しかし、弊社の「自家がんワクチン」ならば、もともと患者さんのがんの塊を原材料にしますから、一つのがんの塊の中でさえ異なる変異がん細胞がいても、それに由来するがん抗原が全て含まれます。

そのため、効率よく、患者体内でがんを殺せる細胞性免疫反応を誘導できるのです。

そして、手術で採り出したがんの塊さえ入手できれば、

(生のがん組織である必要はありません、どこの病院でも必ず作るパラフィン包埋ブロック中の死んだがん組織で構いません)、

わずか「1週間」で自家がんワクチンは作製可能です。読者の皆様には、このスピードを念頭においていただければ幸いです。

References

1. Qing He, Hua Gao, Dejiang Tan, Heng Zhang, Jun-zhi Wang.
Review: mRNA cancer vaccines: Advances, trends and challenges.
Acta Pharmaceutica Sinica B, 2022;12:2969-2989.

2. Weinberg RA, The biology of CANCER, 2nd ed., pp.465-466, 2014.

【ご案内】
**********△▲***▽▼********************△▲***▽▼***********
自家がんワクチン療法は、しっかりした学術論文群に支えられている科学的根拠のあるがん免疫療法です。
学術論文群は、→ こちらにあります。

決していいかげんながん免疫療法ではありません。既に裁判手続を通じて、
・自家がんワクチン療法は、
. 「有効となる可能性がある」と公式に認められた
. と評価できております。
確定した判決文は、東京高等裁判所で、「令和3年(ネ)第5471号 損害賠償請求控訴事件」の閲覧手続きをとることで確認できます。

トピックスはメールニュースとして、1700人以上の方々に発信しております。
さらに読者を募集しています!!

◎ 新たに配信をご希望の方、
○ メールアドレスを変更した方、
● 今後は配信停止をご希望の方、

こちらからどうぞ。
→ https://cell-medicine.com/registration/

 このメールニュースのバックナンバーはこちらです。「すべてのトピックス一覧」に含まれています。
240本以上のニュースが蓄積されています。
→ https://cell-medicine.com/topics/

内容の検索は、その画面右上の「ここから検索」欄からGoogle検索と同じ方法で可能です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
抗がん剤が効きにくい“スローな癌”こそワクチンで
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

大病院の先生方へ:

「混合診療禁止」政策により、保険診療機関である大病院では「自家がんワクチン療法」が実施できなくても、先生ご自身の患者様に対して、お近くの連携クリニックの外来にてごく簡単に、自由診療にて実施できます。

既に、大学教授で、この連携方式により、ご担当の患者様の自家がんワクチン療法受診を実現されている先生方も何人もおられます。具体的な方法は弊社まで直接お問い合わせください。

新たに「自家がんワクチン療法」を自院でも連携方式で開始したい病院の先生方は、どうか遠慮なく弊社にご連絡下さい。Web会議にて直接説明申し上げます。

大病院から小型診療所まで、どこでも簡単に実施可能です。しかも初期投資も不要です。

肝がんでは、すでにランダム化比較対照臨床試験で有効性が証明されているエビデンスレベルの高いがん免疫療法です。

★“自家がんワクチン療法”は「厚労省への届け出は不要です」★

自家がんワクチンは生きている細胞を含まないため培養不要で、 再生医療等安全性確保法でいう「細胞加工物」(人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの)に該当しないためです。

**********△▲***▽▼********************△▲***▽▼***********

患者様向けには、「自家がんワクチン療法」のホームページをご案内下さい。わかりやすくやさしく記載してあります。
こちらです。⇒ https://cell-medicine.com/

弊社は、理化学研究所発ベンチャー企業 & 筑波大学発ベンチャー企業 です。

セルメディシン株式会社
〒305-0047 つくば市千現2-1-6-C-B-1
TEL:029-828-5591、FAX:029-828-5592
E-mail: tkb-lab@cell-medicine.com

**********△▲***▽▼********************△▲***▽▼***********

注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。
監督官庁の確認を得ており、医療広告ガイドライン違反ではありません。

ご相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。