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膠芽腫に対する腫瘍ワクチン療法の成績と、免疫チェックポイント阻害薬、M2マクロファージ阻害薬などの新規免疫療法の可能性

目的: 膠芽腫は非常に難治性で手術摘出・放射線治療・化学療法による標準治療でも、治療成績は未だ不十分である。本発表では、膠芽腫に対する当施設での免疫療法の取り組みについて紹介する。

方法、結果:2000年頃からの基礎研究を経て、2004年までに術後再発膠芽腫を主とする12症例に自己の腫瘍組織を加工しアジュバントと混合することにより調整した「自家腫瘍」ワクチン(AFTV)を投与し安全性を確認した後に、初発膠芽腫に限定したAFTVと術後放射線の臨床効果の確認が行われ、さらに、テモゾロマイドを初期から使用するプロトコールによる多施設共同臨床試験を2009~2013年に施行し、AFTVに関連した重篤な有害事象は皆無であった。全生存期間中央値は22.2ヵ月であり長期生存者が多い傾向を認めた。さらに、標準治療にAFTVを上乗せした多施設二重盲検無作為比較対照試験(phase IIb)を実施した結果、全生存期間では試験群・対照群間で有意差は認めなかったが、事前に解析を計画していた全摘出群とp53陰性群において試験群、対照群の間でAFTVの優位性を認めた。本発表ではCellm-001(上記AFTV同等品)を用いた医師主導治験について計画を述べたい。

また、膠芽腫治療においてワクチン療法などの腫瘍特異的T細胞誘導型の免疫療法やや免疫チェックポイント阻害薬などを含む集学的治療を行った症例は通常の療法よりも長期生存の割合が高まる一方で早期に再発する群も存在し、早期再発に関わる因子の抽出とその克服が不可欠である。我々は、これまでに特にワクチン療法および化学療法(テモゾロミド、TMZ)および放射線治療後の膠芽腫再発時にPD1陽性細胞や免疫抑制性のマクロファージであるM2マクロファージ(Mφ)が増加するなど免疫系微小環境が変化することを見出した。動物モデルにおいても同様の現象が起こることを確認した後に、免疫チェックポイント阻害薬とM2Mφ阻害薬の併用が上記の免疫・化学療法に対する治療抵抗性を克服する可能性に関し研究を行っている。

考察・結論: 膠芽腫に対する免疫療法の臨床研究の結果および今後の医師主導治験の計画について、また免疫療法が有する治療抵抗性という問題点を克服するための研究について述べた。

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