膠芽腫患者に対する自家腫瘍ワクチンと放射線・化学療法を用いた臨床多施 設共同試験の経過報告 セルメディシン株式会社が紹介する自家がんワクチン療法に関する記事や、論文をご覧いただけます。

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膠芽腫患者に対する自家腫瘍ワクチンと放射線・化学療法を用いた臨床多施 設共同試験の経過報告

石川栄一1、山本哲哉1、中井 啓1、高野晋吾1、丸山隆志2、田中雅彦2、生田聡子2、橋本幸一3、原田義則3、上前洋二4、大野忠夫4、唐沢克之5、松谷雅生6、阿部竜也7、村垣善浩2、松村 明1 


1.筑波大学 人間総合科学研究科 脳神経外科 2.東京女子医科大学 脳神経外科 3.筑波大学 CREILセンター 4.セルメディシン株式会社 5.都立駒込病院 放射線診療科6.埼玉医科大学 脳神経外科 7.大分大学 脳神経外科

目的】我々は以前の初発膠芽腫患者に対する放射線および自家腫瘍ワクチンを用いた多施設共同臨床研究において、生存期間中央値21.4か月という成績を報告してきたが、今回の研究では、前回研究に更に化学療法であるテモゾロマイド(TMZ)を付加することにより更なる成績の向上が得られないかを調査すべく、新規の多施設臨床研究を開始している。本研究の中間解析を行ったので、ここに報告する。【方法】テント上の膠芽腫(WHO Grade IV)の初発症例、播種なし、75歳以下、KPS60%以上などの適応基準を満たした症例23例について、最大限の外科的摘出を行った後に仮登録を行い、拡大局所放射線(60Gy)およびTMZ導入を行った。登録後に希望でワクチン接種前に臨床研究を中断した1例を除く18例について維持期に自家腫瘍ワクチン療法および維持TMZを行った。また、4例については同治療を施行中もしくは施行予定である。ワクチン接種後3か月以上経た解析可能症例15例について検討すると、平均年齢は50歳で、同意取得時のKPS中央値は80%、平均フォローアップ期間は10.7か月であった。上記登録症例について、有害事象、無再発期間(PFS)、生存期間(mOS)などの解析を行った。
【成績】摘出前の平均造影領域最大径の平均値は57mmで、11例に造影領域の全摘出が施行された。中央審査による病理再判定においても20例全例がWHOグレードIVであった。全例にワクチン接種がなされ、接種後の皮内テスト陽性率(擬陽性を含む)は43%であった。PFSは7.3か月で、mOSは未到達(25.8か月以上)であった。また18か月のPFS(PFS18)は38.4%であった。有害事象については、維持療法以降の有害事象は延べ40件あったがCTCグレード4以上の有害事象はなかった。
【結論】本研究において、重大な有害事象はなく暫定mOS、PFSも研究継続に耐えうる結果と考えられた。PFS18については前回研究より良好な傾向もあり、今後の症例蓄積および解析結果を待ちたい。た、ワクチン接種との因果関係がある、もしくは疑われる有害事象は皮膚傷害14例、けいれん1例、発熱1例の16件のみであった。 本研究解析可能症例15例と前回研究22例の計37例について解析したところ、DTH-2陽性と全摘出がPFS良好因子となった。

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