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II型糖尿病薬メトホルミンにも抗がん免疫作用がある

最新の学会/最新の論文から

 2013.12.05-06に盛岡で開催された第26回日本バイオセラピィ学会で、がん免疫反応の視点から検討してみると、II型糖尿病薬メトホルミンが免疫細胞保護を通じた抗がん作用があることが、岡山大・免疫・鵜殿平一郎教授から報告されました。

 II型糖尿病薬メトホルミン服用患者は、発がん率・がん死率が低いことが、疫学的研究ですでに証明されています。メトホルミン服用者では結腸がん(リスク比0.68)、肝臓がん(同0.20)、肺がん(同0.67)と発がんリスクが有意に低い(Noto H, et al. PLos ONE 7(3):e3341)とのことで、特に肝がんの発がん率が1/5に下がっているのは注目すべき点です。

 そこで、マウスに作ったがん組織内に浸潤したリンパ球を観察してをみると、通常なら免疫疲弊(半分以上が死んでいる)状態にあるのですが、メトホルミンを加えた飲水摂取マウスでは、がん組織内に浸潤したリンパ球の細胞死が回避されていたとのことです。もちろん、そのマウスでは、がんの増殖を抑制しています。

 メトホルミンのがん再発抑制効果については、昨年10月15日、癌Expertsで報道されてから
→ http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/cr/201210/526740.html
非常に注目されています。

 メトホルミンは、1950年代から糖尿病治療に使用されてきた内服薬で、その安全性は高いため、がんワクチン等の免疫療法との併用効果が期待されます。

 ただし、安易に使用することには、乳酸アシドーシスの発症を増やしかねないとの警鐘が出ています(昨年10月15日、癌Expertsで)。しかし一方では、「メトホルミンの副作用リスクは誇張されたものだ。軽度から中程度の腎障害の患者では、メトホルミンによる副作用リスクは上昇しない」という発表もあります。
→ http://www.dm-net.co.jp/calendar/2012/018925.php

 もし抗がん剤治療をきっかけにして、がん患者様に糖尿のケがでてきた場合、メトホルミンの併用を検討する価値はありそうです。それを自家がんワクチン等のがん免疫療法と組み合わせれば、NSAIDs (Non-steroidal anti-inflammatry drugs)の場合に似た、”緩やかな抗ガン免疫反応”を期待できそうです。

 貴院にても、ご検討いただければ幸いです。