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イリノテカンのナノ粒子製剤はがんを小さくできても延命効果はない

最新の学会/最新の論文から

ASCO GI(ASCOのGastrointestinal Cancers Symposium Meeting)で1月24日に発表されたところによれば、イリノテカンのリポソーム製剤(ナノ粒子サイズ、PEP02)を胃がん症例に投与したところ、通常のイりノテカン(Camptosar)投与群あるいはドセタキセル(Taxotere)投与群に比べて、奏効率(腫瘍縮小効果、RR)は2倍となったものの、
DCR(疾患制御率)もOS(全生存期間)も変化はなかったとのことです。各群ともn=44です。

 今回のナノ粒子化イリノテカンは、副作用の軽減を狙った製剤ですが、120 mg/m2(有害事象がgrade 1以下なら150 mg/m2に増量可)を投与してRRは13.6%、イリノテカンで6.8%、ドセタキセルで15.9%でした。

 この発表では、PFS(無増悪生存期間)も3群で約80日と変化なく、OSの中央値も218日から235日の間で、変化なしとしています。

→ http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ASCOGI/24482
 最先端技術でリポソームに包埋され安全性を高め、かつ、腫瘍への濃縮効果も高いといわれてきたナノ粒子製剤であっても、従前から一般的な抗がん剤に言われ続けてきた点、
  「腫瘍縮小効果には一時的なメリットはあっても、果たして患者
   の生命予後に貢献できるのか(患者の余生にとって本当に良い
   ことなのか)疑わしい」
との課題に答えることはできなかったようです。

 それに引き換え、がん免疫療法の分野では、すでに生命予後を延ばせるか否か、OSを主評価項目として試験されるようになっています。しかもどの種類のがん免疫療法であれ、重篤な副作用はほとんどありません。もちろん、弊社の自家がんワクチンは、肝がんと脳腫瘍ではすでにこれらの点で合格です。