がん治療では、なぜ効果が無いケースが多々あるのでしょうか? 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

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がん治療では、なぜ効果が無いケースが多々あるのでしょうか?

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今週(2023年5月15日の週)、ある患者様のご家族様から標題のような質問を受けました。

どうやら、一般の方々と、がん治療に携わる関係者の間では、がんという病とその治療薬に対する大きな認識のズレがあるようです。

一般の方々は、発熱や強い痒みを起こす炎症反応に対して、医師から処方されたステロイド剤により、ほとんどの場合、“効いた”という経験をお持ちではないかと思います。

これが転じて、
. 「病院の先生が出す薬なら効くはずだ」
という先入観をお持ちではないでしょうか。

しかし、こと、がんに関しては、このような先入観はあてはまりません。

こんな本があります。

「病の皇帝「がん」に挑む–人類4000年の苦闘」
シッダールタ・ムカジー著(田中文訳)、上・下、2013、早川書房

この本のタイトルだけでわかりますように“がん”は人類が医学に目覚めた4000年前から治せる病気ではない(なかった)のです。

そしてこの事実は、切れば治るという初期の胃がんのような簡単な手術対象になるがんを除けば、
進行がんとなったら最後、まずもって“治せない”
というのが現在でもほとんどの患者さんにあてはまる現実であることも示しています。

現在のがん治療の理論は、基本的には、その治療の効果について、比較対照に比べて統計学的な有意差をもって良い結果が得られている、という点に立脚しています。

例えば、ある種のがんで複数の患者さんがいる集団があるとき、
(A群)テスト対象となる抗がん剤を投与する方

(B群)投与しない方
に分けて、
(A群)の方が生き延びる患者さんが(B群)に比べて多くなるはずだと仮定して、実際に国に登録した公式の臨床試験(治験)を行います。

その結果に対して、統計学的な処理をしてみて、本当に(A群)の方が有意差をもってより長く生き延びた(投与後のある時点での生存率が高くなった)、という結果なら、その抗がん剤の有効性が証明されたとするのが、現在の抗がん剤の承認基盤となっています。

本邦では、がんが治る、治らないというレベルの話ではなく、
(がんが治らなくても)長生きできたか否か
で判定されています。

公式の臨床試験(治験)で有効性が証明された場合、国ががん治療薬として承認し、健康保険が適用される薬として販売できるように認可されます。

この治験では、“患者さん集団”として効いたか否かが試されますが、治療成功の確率が100%でない限り、
目の前の“患者さん個人”に効くか否かを保証するものとはなりません。

言い換えれば、統計学的な処理は、有効性を示す確率が大きいか否かを扱うだけで、目の前の“患者さん個人”に必ず効くか効かないかを示すもの(成功確率100%か0%か)とはなりません。

すなわち、

この確率は、治療の結果を「予想する」ものとはなりますが、結果を「示す」ものではありません。

いわば、抗がん剤という馬券を買うようなもので、その馬が勝つかどうかは、競馬が終わってみないと分からないのです。

しかも現在の抗がん剤(大多数が低分子化合物です)には、おおまかに言えば、治験でおよそ15%程度以上の患者さんでがんが小さくなった
(小さくなったことを“効いた”と判定している)
ために承認されてきた、
(その後に国の見直しがあり、確かに生存期間が長くなった、または、生存率が上昇した)
ものが多くあります。

逆にいえば、
「85%の患者さんに効かなくても、この薬で治療を受けると集団として長生きできるならいいことにしよう」
という、結構荒っぽいものです。

しかも低分子化合物の抗がん剤では、強烈な副作用がたっぷりある毒薬・劇薬が大多数です。

そのため、現在の抗がん剤でがん治療をしても
「効かなかった」、「副作用でひどい目にあった」、というのがごく普通に起こる
とお考え下さい。

そこまで強引に治療しなければならないという点が、がんという病気の恐ろしさを反映しています。

“国が承認しているがん治療薬だから”、
あるいは、
“承認薬を使っているがんの標準治療だから”、

といっても、がん患者さんが、
. 「私に必ず効くはずだ」と考えるのは単なる思い込みに過ぎないこと、

実際には、国の承認薬である抗がん剤でも、
進行がんの治療にはもともと効果が無いケースが多々生じること
に、十分な注意が必要なのです。

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