わずか1回の注射で自家がんワクチンが有効:脳腫瘍の症例報告論文で 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

わずか1回の注射で自家がんワクチンが有効:脳腫瘍の症例報告論文で

最新の学会から 

新型コロナワクチンは、1回の注射でよいのか、2回か、3回か、いや4回目も必要なのかが目下世界で話題
になっています(2022.05.16)。

感染症に限らずがんでも、一般に免疫反応を刺激するには、1回の抗原投与では比較的ゆっくりした免疫
反応しか起こりません。

しかし、2回目の抗原投与が行われますと、急激な免疫反応が誘導されます。これはブースター効果と言われています。

では、がん治療のための自家がんワクチン療法では十分なブースター効果を得るために何回の繰り返し注
射が必要なのかは、実は未だによくわかっておりません。

ただ、自家がんワクチンの製造上、必ず患者さん自身から手術で採り出したがん組織そのもの(パラフィ
ン包埋ブロックまで病院で加工されたもの)を原材料にしますので、がん組織量による製造限界があります。

そのため、繰り返し注射可能な自家がんワクチンの本数にも自ずと限界が出てきます。

弊社では、従来より、基本的にワクチン注射回数は3回(つまり3本)を1コースとして、この中で2回目、
3回目の注射を「ブースター効果を狙う注射」と位置付けてきました。

逆に、では、自家がんワクチン療法では、「最少の必要な注射回数は何回なのか」について疑問に思われ
るかもしれません。

ブースター効果を狙わなければ、1回1本だけの自家がんワクチン注射でも、理論的にはがん治療効果を期
待できるはずですが、実は、これまではクリアーなデータがあるとは言い難いところがありました。

しかし、この程、奈良県立医科大学から、脳幹部にできたため手術で全部の切除はとうてい不可能な、グ
レードIIの脳腫瘍(びまん性星細胞腫)症例で、明らかに脳幹部に残存している腫瘍が縮小したという症例
報告論文が出されました(Ref. 1)。

この方は、当初の放射線治療では3ヶ月間縮小しなかったのに、その後のわずか1回の自家がんワクチン注射で明らかな縮小が始まり、当初から12ヶ月後には腫瘍容量が半減42ヶ月後には脳腫瘍が91%も減少したのことです。

論文を読んですぐに、その症例は弊社ホームページにも収載されている方だと判明しましたが、

(→ 脳腫瘍のページの代表的症例欄にある〔症例2163〕の方です。)

この学術論文自体は弊社とは直接関係なく、独立に奈良県立医科大学から投稿されていました。
(弊社はもちろん、自由診療を行ったクリニック名も論文中には記載されていません。)

このことは弊社にとっても非常に嬉しいことです。

大学病院の主治医とその共著者、また、学術誌の厳格な査読者と編集長の目から見て、未だ効果がでてい
ない放射線治療後に、学外で実施された自由診療による自家がんワクチン療法が、たった1本の自家がんワク
チン注射で有効だったと“客観的に”判定されたからです。

つまり、(すべてのがん種でそうだとは未だ言えませんが、少なくとも確実に死に至る脳腫瘍では)、

「最少の必要な注射回数は何回なのか」
という質問への回答が、
「1回の自家がんワクチン注射だ」
と、この論文で判明したのです。

Reference

1. Morimoto T, Matsuda R, Nakazawa T, Nishimura F, Nakagawa I.
Combined Treatment With Radiotherapy and Immunotherapy for Isocitrate Dehydrogenase Mutant Brainstem Glioma in Adult: A Case Report.
Brain Tumor Res Treat 2022;10(2):129-133.
https://doi.org/10.14791/btrt.2022.0009


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