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脳腫瘍臨床試験(再発・残存症例を対象)

脳腫瘍のうちでも非常に悪性の多形膠芽腫において、自家がんワクチンの治療効果が期待される臨床試験結果が見られています。使用した原料は、過去の手術で摘出されホルマリン固定・パラフィン包埋されていた腫瘍組織です。

手術後に残存・再発している多型膠芽腫の治療効果

臨床研究

脳腫瘍は、その悪性度によって、グレードI~IVに分類されています。特にその中でもグレードIVの多形膠芽腫( Glioblastoma multiforme, GBM )は、ガンの中でも最悪中の最悪といわれ、 旧来の治療法では、患者の90%以上が5年以内に死亡しています。

GBMの予後が非常に悪い理由の一つとして、浸潤性(腫瘍細胞が脳に染み込むように広がること)が高く、手術による完全摘出が困難であることが挙げられます(図1)。

再発/残存多形膠芽腫(GBM)12例の全生存期間

初発GBMにおいて、標準治療を行った後に再発するまでの期間中央値は約8か月と言われています。 (The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 2005, Mar 10 987-996)

再発後にはテモダールやアバスチンによる治療が行われるのが一般的ですが、推奨される治療法は未だ見つかっておりません。

我々は、多形膠芽腫で標準的な治療後の再発症例8例、初発術後もMRI画像診断で確認可能な残存腫瘍がある症例4例、計12例を対象に、自家がんワクチン療法の臨床試験を行いました。

下記は初めて手術した後、死亡するまでの時間をプロットした生存率カーブです(カプランマイヤーカーブといいます)。このカーブが右に進んでも高い位置に留まるほど、臨床成績が優れていることを表します。図2は、全例とも前治療(手術・放射線・抗がん剤)後に再発 したか未だに残存腫瘍が残っている症例です。前治療期間を含んでいるため、「初回手術後からの中央値」がやや長くなっています。(図2)

図2

再発/残存多形膠芽腫(GBM)12例の奏効率と疾患制御率

病勢制御率

多形膠芽腫で標準的な治療後の再発症例8例、初発術後もMRI画像診断で確認可能な残存腫瘍がある症例4例、計12例を対象に、自家がんワクチンを接種した結果、完全寛解(CR)1、部分寛解(PR)1、一部縮小(MR)2、不変(NC)1、進行(PD)7例 となっており、奏効率(CR+PR)は 17%、 NCまで含めた疾患制御率(disease control rate, CR+PR+MR+NC)は 42%でした。

このうち、完全完解症例〔がん種別の症例 : 症例0039〕 は、自家がんワクチン接種後10年を経過してなお健在です。この症例の個別データは、がん種別の症例:脳腫瘍のページをご覧下さい。

なお、再発・術後残存している多形膠芽腫の場合、テモダール(奏効率7%、 文献:J Neurooncol. ;81:271-7, 2007)に比べれば、自家がんワクチンの奏効率17%は非常に高い値です。それほどまでに、この脳腫瘍は悪性度が高いのです。

文献:Ishikawa E, Tsuboi K, et al., A clinical trial of autologous formalin-fixed tumor vaccine for glioblastoma multiforme patients. Cancer Sci., 98:1226-1233, 2007. エビデンスレベル2bに相当する論文です。