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その他のがん

自家がんワクチン療法後、フォローした原発不明のがんを含む少数割合のがん症例のうち、経過報告があった症例についてソフトクライテリアの観点から評価した治療成績を以下の表とその下の代表的症例にまとめました(表下のグレーのバーを動かすと、各種のがんの数値が見られます)。

がん種 胆管・胆嚢 皮膚がん 軟部肉腫 食道 重複がん 甲状腺 口腔 骨肉腫 咽頭 尿管 膀胱 前立腺 小腸 髄膜 耳下腺 原発不明 盲腸 腹膜 中皮腫 その他 卵管 副鼻腔 精巣 神経芽細胞腫 喉頭 リンパ腫 唾液腺 胸腺 外陰 陰茎 左記の他、
すべてのがん種を含む
全データ数
全症例数 51 26 28 21 23 14 24 10 10 9 10 8 8 4 8 5 14 8 5 11 4 3 2 3 3 3 4 1 1 1 1759
1:有効 5 1 1 0 1 2 1 1 0 0 2 0 0 0 0 1 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 101
2:長期不変・無増悪
(1年以上)
2 2 1 2 6 3 2 3 1 0 0 3 1 1 0 1 1 0 1 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 298
3:不変
(6ヶ月以上1年未満)
1 3 0 1 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 65
4:無効 23 6 13 3 6 4 7 0 1 5 2 0 3 1 2 2 5 4 0 2 1 1 1 0 1 1 1 0 0 0 469
改善率1:
(1+2)/(1+2+3+4)
22.6% 25.0% 13.3% 33.3% 53.8% 50.0% 30.0% 100.0% 50.0% 0.0% 50.0% 75.0% 25.0% 50.0% 0.0% 50.0% 16.7% 20.0% 100.0% 50.0% 50.0% 0.0% 0.0% 0.0% 50.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 42.8%
5:経過観察中 3 0 5 0 2 0 0 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 62
6:投与中止 3 2 0 2 1 1 2 0 2 0 0 1 0 0 0 0 2 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 76
7:転帰不明追跡不能 10 9 5 6 3 1 9 4 6 0 2 1 1 2 4 1 3 1 1 3 1 1 1 3 1 1 1 0 0 1 413
改善率2:
転帰不明も
無効とした場合
17.1% 14.3% 10.0% 16.7% 43.8% 45.5% 15.8% 50.0% 12.5% 0.0% 33.3% 60.0% 20.0% 25.0% 0.0% 40.0% 11.1% 16.7% 66.7% 28.6% 33.3% 0.0% 0.0% 0.0% 33.3% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 29.6%
8:未投与 0 1 2 2 0 0 0 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 47
9:未評価 4 2 4 5 4 2 3 0 0 3 2 2 2 0 1 0 3 2 1 4 0 0 0 1 0 0  1 0 0 0 228

注) 改善率1=(1.有効+2.長期不変・無増悪)/(1.有効+2.長期不変・無増悪+3.不変6ヶ月以上1年未満+4.無効例数)   → もっとみやすい改善率-1、改善率-2、表中の項目1~9の定義は →  こちらです

代表的症例

口腔がん(舌がん)
〔症例0422〕 (久保島クリニック)
リンパ節転移、舌再発あるも、自家がんワクチン接種(2006.09)後、1年5ヶ月経過時点で健在。

甲状腺がん
〔症例0090〕(文京クリニック)
リンパ球療法を施行していたが効果が見られなかったため、自家がんワクチン療法を併用。CT上では腫瘍の縮小は見られないものの、両側胸水が消え、カニューレ交換時に見えていたがん組織がなくなったとのこと。しかし、突然出血死。もともとがん組織が頚部の大血管を巻き込んでいたため、がん進行によるものかは不明。

喉頭がん
〔症例0161〕 (石橋総合病院)
肺転移あり。PET-CT上、肺転移巣消失。

胆管がん
〔症例0178〕 (尾道総合病院)
胸壁に転移あり。04年12月脳転移も判明。ワクチン投与、γナイフ併用し、05年2月頭部CT上、脳転移巣が縮小。KPS70%、CA19-9値正常化、QOL大幅改善、独り暮らし可能に。

胆のうがん
〔症例1381〕 (尾道総合病院)
60歳代女性、胆嚢がん、stageIV、肝転移あり、リンパ節転移ありで、2011年5月に前病院にて手術。同年8-9月に尾道総合病院にて自家がんワクチン投与。別病院にて、ゲムシタビン+TS-1を18クール施行。2015年7月にヘルニアで手術、その際CT撮影、再発なく、マーカー正常値。完全寛解(CR)との診断が出た。この方、前病院での術後縫合不全で発熱、かなりの期間入院していた(胆嚢がんの手術は非常に難しいため、よくあること)。CRとなったのは、別病院の主治医は抗がん剤の効果だと考えているが、尾道総合病院ではあまりにも信じられない症例なので(抗がん剤では胆嚢がん肝転移が消失することはないため信じがたく、自家がんワクチンによる効果と推定)、わざわざ病院からご主人に電話し確認している。ご主人によると患者さんは現在も無再発で健在。

中皮腫
〔症例0079〕 (文京クリニック)
心臓、縦隔および胸膜に中皮腫。副作用のため抗癌剤(MTX、CPT-11、ナベルビン)中止。その後、自家がんワクチン接種、胸壁癌瘤の縮小(触診)、胸壁痛減少。

前立腺がん
〔症例0249〕 (高村泌尿器科麻酔科医院)
治療前PSA値8.0、自家がんワクチン接種後1ヶ月4.9~3.8。5ヵ月後に炎症により一過性に6.1まで上昇するも、6ヵ月後4.1、8ヵ月後3.6、9ヵ月後3.3。1年5ヶ月経過時も正常値。

軟部肉腫(組織球腫)
〔症例0374〕 (現在:ふる里クリニック)
Malignant fibrous histiocytoma(MFH);繊維性組織球腫。80%の症例で肺転移が起こり、術後再発した場合の生命予後は不良。この症例は、初回手術後3ヶ月で局所再発し5cm以上に腫大していたという悪性度が高いと推定される例だが、「再発局所切除+76Gyの放射線照射+自家がんワクチン」(化学療法はせず)で4年以上無再々発・無転移。なお、2007.11におこなったDTH反応テストでは擬陽性。2010.04のDTH反応テストでは陽性となっていた。

足1本、切断せずに助かった症例。
第72回日本臨床外科学会で発表、2010.11.22、横浜。
スライドは →  こちらです
論文は、こちらです →  http://www.wjso.com/content/pdf/1477-7819-9-96.pdf

骨肉腫
〔症例0310〕 (行田総合病院)
1998.07、24才で発症以来、強烈な副作用のある抗がん剤治療に耐え抜いても、ほぼ2年おきに再発・肺転移を繰り返し、計5回もの手術と右足切断を余儀なくされた。2006.02自家がんワクチン療法1コース、2回目の免疫反応テストは陰性。しかし、以後6年間以上、無再発。現在も仕事をしつつ独立した生活をしており、義足をつけている点を除けばKPS 100%。
治った」と言ってもよいと主治医も同意。

→ この方が、闘病記を出版されました。ぜひ、ご一読下さい。通信販売で市販されています。
田中博子 著 「紅鶴」 (日本文学館)

骨肉腫
〔症例1943〕 (新本町クリニック)
66歳女性、骨内にできたため骨肉腫とされていた方。骨悪性繊維性組織球種(malignant fibrous histiocytoma of bone;MFH)と呼ばれていたが、2013年のWHO分類で名称変更し、骨未分化高悪性度多形肉腫(undifferentiated high-grade pleomorphic sarcoma of bone;UHPS)となった。非常に珍しい腫瘍である。2013年7月に自家がんワクチンを接種、2016年2月時点で再発なく、元気にしている。

原発不明がん
〔症例0128〕 (すばるクリニック)
右頸部リンパ節転移巣を摘出、04年7月自家がんワクチン調製、接種。その前には中咽頭右側にPET診断でhot spotがあった。10年6月現在再発なし。

膀胱がん
〔症例0238〕 (つくばセントラル病院)
経尿道的手術例で、筋層に達していたため、自己血を200~400mLほどとって2005年手術。2gのがん組織が採れた。DTH反応テスト-2陰性だったにもかかわらず、2014年現在(9年経過)、無再発。がん再発ではなく、脳機能障害による摂食、呼吸不全にて2015年に逝去。

この方のご家族(大学病院の医療従事者)から2014年4月にいただいたメールは →  こちらのページの3.です

肝内胆管がん
〔症例0827〕 (銀座並木通りクリニック)
2007.11、肝機能障害により肝内胆管がんが発見され手術。術後ゲムシタビン1400mg/回投与で骨髄抑制が強く出たため、隔週で計9回投与で終了、血小板減少著明。2008.12自家がんワクチン投与。2014.10主治医より「根治」の診断があった。

腹膜がん
〔症例1276〕 (陳瑞東クリニック)
53歳女性、開腹手術時に卵巣、大網、腹膜播種を認め、原発性漿液性腹膜がん(PPSC)と診断された。腹腔内の広範囲切除後、TC療法を6コース実施。再発後、回腸転移巣を3cm切除、TC療法を6コース追加、血中CA125上昇を認め、さらに5コース追加したが8ヶ月後にはCA125が急速に上昇PET-CTで多発再発を認めた(画像図左黄枠内)(この間、再発間隔が26, 20, 8ヶ月とどんどん短くなっている)。
. TC療法をもう一度追加するもCA125が3,571 U/mLに達し、制御不能になった(グラフのday 105)。そこで自家がんワクチンを併用したところ(グラフの青い白抜き矢印)、わずか1ヶ月でPET-CT上でがん塊が消失した(画像図右黄枠内)。CA125もドラマチックに激減(グラフの133日目)、完全寛解(CR)状態が281日まで続いた。残念ながら 310日目以降に再々発し、患者は16.5ヶ月後に死亡したが、強烈な化学療法でさえも制御不能になってから自家がんワクチン併用により1年以上も生存できたことは特筆に値する

CMI1276-3-3CMI1276-1-2

この方の症例報告論文は、2015年8月 Clinical Case Reports誌に掲載されました。

→ こちらです

論文のタイトルは、
“Recurrent Peritoneal Serous Carcinoma That Was Unmanageable with Paclitaxel–Carboplatin Therapy Responded To Autologous Formalin-Fixed Tumor Vaccine”
です。