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用語集

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細胞傷害性Tリンパ球(CTL:Cyototoxic T lymphocytes)

ウイルス感染細胞やがん細胞などで、特定の抗原を細胞表面にもつ細胞を殺傷するT細胞。CD8分子を持つT細胞が主なものです。

ナチュラルキラー細胞(NK:Natural Killer cells)

ウイルス感染細胞やがん細胞などの溶解活性をもつ細胞で、血液中の白血球成分のうち、15〜20%存在する。感染症、がんなどで働き、自然免疫反応に関与すると考えられています。

インターロイキン2

1970年代にT細胞の増殖を促進する物質として見出されたサイトカイン(免疫を担当する細胞がつくる物質。免疫応答の調整、免疫担当細胞の活性化、増殖作用がある)の一種です。

ケモブレイン

化学療法による脳機能障害のこと。神経心理学検査の結果が悪く、認知機能障害も多く認められる。典型的には、「脳がとても重く感じそして疲れる…全てが鈍く曇っているように感じる」というもの。

参照先:https://kanwa.tokyo/chemobrain

活性化リンパ球療法

がん患者自身のリンパ球を 抗CD3モノクローナル抗体で刺激し、 インターロイキン2存在下で患者の体外で増殖させることにより、増えた活性化リンパ球を再び患者に戻し、がん細胞を殺し結果的にがん組織を破壊する治療法。現在、国内ではいくつかの大学病院で高度先進医療として実施されているほか、民間の医療機関でも自由診療として実施されています。

がんワクチン療法

体内の免疫系が正常細胞を傷つけず、がん細胞だけを排除できるかどうかは、議論のあるところでした。しかし、キラーT細胞(CTL)が認識することのできるがん細胞に特異的な抗原があることが明らかとなりました。現在までに、数100種類のがん抗原が見つかっていて、その遺伝子も明らかとなってきました。最近では、それらの抗原を用いた新しい免疫療法として「がんワクチン」療法が行われるようになってきました。がん抗原タンパクあるいはそれに由来する断片である ペプチド を、免疫反応を増強させる補助物質(アジュバントと呼びます)とともに投与する治療法や、樹状細胞 を用いて、がんに特異的なキラー T細胞を誘導する方法もありますが、がん細胞中のあらゆるがん抗原を逃さないようにするため、がん細胞やがん組織そのものを用いる方法が最も注目されています。

抗CD3モノクローナル抗体

CD3はヒトT細胞の表面に存在する分子です。このCD3分子を特異的に認識するのが抗CD3モノクローナル抗体。抗CD3モノクローナル抗体がTリンパ球上のCD3分子に結合すると、T細胞が活性化します。

ソフトクライテリア

「ハードクライテリア、ソフトクライテリアとは?」の用語の解説をご覧ください。 ソフトクライテリアによる改善率1と改善率2の定義もあります。

細胞傷害性Tリンパ球(CTL:Cyototoxic T lymphocytes)

ウイルス感染細胞やがん細胞などで、特定の抗原を細胞表面にもつ細胞を殺傷するT細胞。CD8分子を持つT細胞が主なものです。

樹状細胞(じゅじょうさいぼう/DC:Dendritic Cells)

T細胞が抗原に対して活性化し、キラーT細胞(CTL)になるためには抗原提示細胞と呼ばれる細胞によって刺激される必要があります。抗原提示細胞の中で特に抗原を提示する能力が高い細胞が樹状細胞です。

ナチュラルキラー細胞(NK:Natural Killer cells)

ウイルス感染細胞やがん細胞などの溶解活性をもつ細胞で、血液中の白血球成分のうち、15〜20%存在する。感染症、がんなどで働き、自然免疫反応に関与すると考えられています。

ハードクライテリア、ソフトクライテリアとは?

通常のがん治療効果は、主に固形がん化学療法向けに設定されている直接効果判定基準(WHOの基準)で評価されるのが一般的です。そこでは、抗がん剤によってがん病変がどのくらい変化したかが、

完全奏効(CR):全病変が4週間以上完全に消失
部分奏効(PR):推定50%以上の腫瘍の縮小が4週間以上持続
安定(SD、不変 NC ともいう):4週間以上変化ないか、PR以下・PD未達
進行(PD):新病変の出現、25%以上の病変の増大
で記述され、全体の症例数中で占めるCR+PR症例の割合が奏効率(Response Rate、%)として表され、世界中で認められている抗がん剤の評価基準になっています。

また、最近はWHO評価ではなく、より簡便なRECIST法による評価が使用されるようになりました。日本でもガイドラインがでています。最近はSDも有効な範囲と提唱されつつあり、全体の症例数中で占める CR+PR+SD症例の割合が疾患制御率(Disease Control Rate、%) として表されることが多くなっています。

患者様から「○○がんには何%効くのか」という質問がよくありますが、それは、上記の奏効率または疾患制御率を意識してのことと思います。

しかし、抗がん剤によって、「確かにがんは小さくなったけれども、4週間を大きく越える継続的な効果はなく、結局患者は死亡した、そのため患者全体の生存率で評価すると延命効果は認められない」、というのが従来からある抗がん剤ではよく見られた現象でした(もちろん白血病や精巣癌のようなすばらしい成功例もありますが)。

抗がん剤の副作用で苦しめられ、効いたと思ったのもつかの間で、実際には長生きできないというのでは意味がありません。そこで各国は「全生存率(OS)で評価しても確かに延命効果がある」という証明がなければ新規抗がん剤としては認めない、という方針に転換しています。

以上のように奏効率、OSで評価した延命効果は、それぞれ意味が異なるとはいえ、しっかりした科学的基盤を持つ評価基準であるため、”ハードクライテリア”として分類できます。

一方、がん免疫療法を施行すると、目を見張るようなCR・PR症例が出ることは多くはありません。ところが、癌の大きさは不変(SD)でも、それが4週間どころか半年以上も続いているという症例が無視できない程の数で発生します。「結局患者は長生きできた」という学会報告も続出しています。そのため、長期不変例は有効症例とすべきだと提唱されています。

また、がん免疫療法を行うと、寝たり起きたりで家にこもりきりだった病人が非常に元気になり、ゴルフに出かけた、海外旅行に行ったという、傍で見ている家族がびっくりするほどの外面的な改善効果、すなわち、QOL (生活の質)で見た場合の劇的改善例が多数認められます。

しかしQOLは正確な数値化測定が困難で、評価者の主観で大きく変わるという欠点があります。また、学術論文上でもCR・PRに代わる評価法として、「長期SD」(自家がんワクチン接種後1年以上の無再発を含む)や「QOL」の他に、「癌の一部が縮小した」、「臨床症状が改善した」、「医師の予測よりも長生きした」、「腫瘍マーカーが低下した」等の評価基準が時々使われています。これらを集めたものがソフトクライテリアで、がんに対する何らかの改善効果を表します。評価がしっかり済んだ症例全体の中で、改善効果が認められた症例の割合が改善率です。いまのところ、改善率1と改善率2の2種類が定義されています。

これらの定義については → こちらのページの一番下にある図(改善率1)と、各がん種ごとのページの表(改善率2)をご覧ください。

新しいがん免疫療法を開発する場合、その開発過程で必ず行われる動物実験では、CR、PR、OS等は簡単に計測できますが、QOLを客観的に測定すること等は不可能です。また、動物実験でCRやPRの効果が出たとしても、実際にヒトに適用した場合に、「効果が全然ない、毒性だけが現れた」という結果となった治療法は非常に多いのです。

ソフトクライテリアは、厳密な学術的批判に耐えうる評価基準ではありませんが、実はQOLのように、”ヒトでなければわからない効果”を推測するにはとても有用なのです。特に、まだ少数例の臨床経験しかない状況では、がんに対する何らかの改善効果を集めてみると、新しいがん免疫療法が望ましいものであるか否かという全体の傾向がつかめます。

例えていえば、ソフトクライテリアは雲が流れていく方向や早さを見て明日の天気を予測するようなものです。人工衛星やスーパーコンピューターまで動員する大掛かりで高額な費用がかかる天気予報(”正規の臨床試験=治験”はこれに相当します)に比べれば正確さに劣るとはいえ、簡便におおまかな天気の行方が予測できます。

ヒトは実験動物のように扱うわけにはいきませんから、ごくわずかの症例を対象に、慎重に新しい方法を適用し、安全性を確かめつつ、効果の有無を丁寧に調べていくのが常道となっています。このような場合に、ソフトクライテリアで見た場合でさえも効果がないようでは話にならないのは自明でしょう。

当社では、このような観点から、ハードクライテリアによる厳密な評価がなされた自家がんワクチン療法の臨床成績とともに、ソフトクライテリアによる治療成績表も公表していくことにしております。

ペプチド断片

抗原タンパクは抗原提示細胞の中で分解されて、短いアミノ酸がつながったペプチド断片となり、抗原提示細胞の表面に出されます。T細胞は樹状細胞によって提示されたペプチド断片を認識します。