ソフトクライテリアについて 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

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ソフトクライテリアについて

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読者の皆様には、天気予報を見たり聞いたりすることは日常茶飯事のことと思います。

そのときの天気予報の情報入手に、どんな手段をとっておられますか?

テレビを見る、ラジオを聞く、ネットでニュースを検索する、隣人に聞く等々、いろいろな手段がありますが、おそらく本邦で最も権威ある情報を入手できるのは、気象庁の公式発表を入手することかと思われます。毎日5時・11時・17時に発表されています。

しかし、いちいち、権威ある情報にアクセスするというのは煩雑です。通常は、一日にたったの3回しか更新されません。しかも国が発表する“権威ある”情報であっても、正確であるとは限りません。天気予報が外れることも多々あります。

逆に、一番簡単な方法は、ご自身で空を見上げ、雲行きを見ることではないでしょうか?

雲行きをパッとみれば、おおまかではあれ、天気予報はある程度可能です。短時間の自分専用予報なら、これで日常生活では十分役立ちます。

実は、がん治療の効果を知りたい場合も、情報をどうやって入手し、どう判断し、どう活用するかという点では、天気予報の情報入手の多様性に類似したところがあります。

特にどう判断するか、という判断基準(クライテリア)は、がん治療の専門家であっても、かならずしも一定しているとは限らないことをご存知でしょうか?

がん治療医師なら、抗がん剤の治療効果の評価に汎用されてきたRECISTクライテリアというものがあるということは知っているでしょう。そしてそれが権威ある国立の医療機関で採用されていたことも知っているとしても、実は、それさえも役立たない場合が多々あることまでご存知かというと、特にがん免疫療法を扱う場合は、どうでしょうか?

実は、厚労省自体が、「がん免疫療法開発のガイダンス2015・早期臨床試験の考え方(平成27年1月30日)」の中で、

Ⅳ. 第Ⅱ相臨床試験 ① 評価項目、

「がん免疫療法においても、抗腫瘍活性はRECIST基準を用いて主に腫瘍縮小や増悪の遅延が評価される。しかし、がん免疫療法特有の作用機序により、遅延性の効果発現が想定される場合がある。その効果発現パターンを考慮した腫瘍縮小の評価基準である免疫関連効果判定基準(immune-related response criteria, irRC)が提案され、このような新基準の必要性も想定される。さらに、がん免疫療法によっては、腫瘍縮小効果が得られなくとも増悪の遅延や生存延長が期待できる可能性があり、このような場合には無増悪生存期間または全生存期間を主要な評価項目として検討することになる。」

と述べているように、RECISTクライテリアにこだわらない姿勢を明記しています。権威あるはずの厚労省と言えども、実際の評価基準は揺れているのが実情なのです。

つまり、学問の世界では、何がしかの判断基準(クライテリア)を作るのは、自由であって、それをどう判断し、どう活用するかという点は、むしろその情報を入手した側に委ねられています。

このような観点から、当社では、権威に振り回されず、臨床現場で使いやすいように、がん治療効果の評価基準として、すでに2005年にソフトクライテリアを設定しています。

→ セルメディシンニュースNo.34(2005.6.21)—-以下、再録
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① 「自家がんワクチン」の効果-ソフトクライテリアによる評価では

現在はエビデンスベースドメディシン(Evidence-Based Medicine、科学的証拠に基づいた医療)が必須と言われる時代です。自家がんワクチンは、科学的に最も厳密な臨床試験(ランダマイズドスタディ)によって、術後肝ガンでは再発抑制効果のみならず延命効果までもあることはすでに証明されており、学術論文として出版されています。

ガン臨床試験では、統計学的に処理される「延命効果の有無」は最も厳しい評価基準で、「腫瘍サイズが半分以下に縮小する症例の割合」とともにハードクライテリア(Hard Criteria)と呼ばれます。

自家がんワクチンによる肝ガンと脳腫瘍以外のガン種への効果については、2005年4月末段階の臨床データでは、まだ、ハードクライテリアで評価できる状況ではなく、若干緩い基準・ソフトクライテリア(SoftCriteria)による評価段階にあります。

自家がんワクチンは、肝ガンだけではなく他のガンでも作り方は全く同じで、実際にはガンの種類を問わず応用可能です。ソフトクライテリアの評価対象となった一例をお示ししましょう。
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◎ 35才男性、甲状腺ガン: 03年12月呼吸困難にて甲状腺未分化癌と診断、04年1月手術。 腫瘍の再増殖あり。自覚症状増強。 3月より細胞免疫療法を開始するも著効なく、4月 胸部CTにて胸水貯留確認。自家がんワクチン受診、5月末終了。胸部CT検査し、両側胸水ほとんど消失、右下葉の無気肺消失、QOLが大幅向上。気道確保のために挿入していたカニューレ交換時に露出していたガン組織の一部が消失(CT画像上では不明瞭のため不変と診断)。
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この症例では「露出していたガン組織の一部が消失」というだけでは定量的評価に難があります。しかし、CT画像判定による「胸水ほとんど消失、右下葉の無気肺消失」については一目瞭然で、十分評価に値すると考えております。

このようにソフトクライテリアでは、病態の一部が明らかに改善した場合は評価対象として取り上げられます。他にも推定余命を遙かにオーバーして生存した例や、ガンの増悪が長期間抑制されたままで不変の症例など、ソフトクライテリアで見ると様々な有効例があります。

これまでに当社に報告があった症例を分析した結果、数値化できる指標のいずれかで何らかのポジティブな好ましい反応が認められた改善例の割合は「自家がんワクチン療法」受診者全体の31%に達しました。

抗癌剤(化学療法)も無効という末期ガン患者が多数含まれていることを考えれば、非常に希望の持てる高い数値です。

(後略)
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以上のように、臨床現場で使いやすい評価基準を設定すれば、臨床現場で、その治療の効果の有無を、簡便に判断していただくことができます。

ただし、新しい評価基準の設定にあたっては、その根拠を明示しておかなければなりません。そうしないと評価が揺れ動いてしまうことがあるからです。

そこで、当社のソフトクライテリア評価にあたっては、ハードクライテリアの場合とともに、評価基準を公開しています。

こちらです → https://cell-medicine.com/cases/
(このページの項「ハードクライテリア、ソフトクライテリアとは」をご覧下さい)

もちろん現在では、自家がんワクチンの効果を紹介するにあたって、症例単位でなされるソフトクライテリア評価だけではなく、症例群で比較検討されハードクライテリアによる評価がなされた自家がんワクチン療法の臨床成績も、特に臨床研究の結果として、当社ホームページで公開しています。

つい最近では、従来はどんな治療をしても治せないとされてきた「乳がん骨転移症例にも自家がんワクチンは有効だ」というハードクライテリアによる解析結果を掲載しています。

こちらです → https://cell-medicine.com/cases/results-breast-cancer.php
(特にこのページの、「日本の従来型包括的乳がん治療との比較」図をご覧下さい)

本邦には、未だがん免疫療法を批判する方々が多数おられますが、ぜひ、「日本の従来型包括的乳がん治療との比較」図中の青線のカプランマイヤーカーブ全生存率中央値(mOS)の絶対値をご覧いただければ幸いです。

【ご案内】
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大規模病院の先生方へ:

「混合診療禁止」政策により、大規模病院では「自家がんワクチン療法」が実施できなくても、先生ご自身の患者様に対して、お近くの連携クリニックにて簡単に実施できます。

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既に、大学教授で、この連携方式により、ご担当の患者様の自家がんワクチン療法受診を実現されている先生方も何人もおられます。具体的な方法は弊社まで直接お問い合わせください。必要な投資額はわずか30万円前後です。

新たに「自家がんワクチン療法」を自院でも開始したい病院の先生方は、どうか遠慮なく弊社にご連絡下さい。直接説明に伺います。

大病院から小型診療所まで、どこでも簡単に実施可能です。しかも肝がんでは、すでに無作為比較対照臨床試験で有効性が証明されているエビデンスレベルの高いがん免疫療法です。

★“自家がんワクチン療法”は「厚労省への届け出は不要です」★

自家がんワクチンは生きている細胞を含まないため培養不要です。また、組織を再生させるものではなく再生医療等安全性確保法でいう「再生医療製品」に該当しないためです。

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注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。

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