自家がんワクチン療法では、ワクチン接種前と後にテストをすることがあります。
原則として、3回のワクチン投与(前後の免疫反応テストを含めると計5回)で治療が終了します。
自家がんワクチンを製造する際に使用したがん細胞と同じ抗原を細胞表面に発現しているがん細胞に対しては、ワクチン接種によりできたメモリーT細胞が生きている限り、効果は持続すると考えられているからです。
免疫反応テスト(DTH反応テスト)の実施
体内に自家がん組織に対する細胞性免疫反応が成立したかどうかをテストするため、DTH(Delayed Type Hypersensitivity)反応テストを、ワクチン接種前と接種後の計2回行います。DTH反応テストは、結核菌に感染したことがあるかどうかを調べるツベルクリン反応と同じ原理によるもので、細胞性免疫反応が成立したかどうかがわかります。
安全に治療を受けるために
第1回目のワクチン接種前に行うDTH反応テスト-1は、通常、陰性です。これは、がんを攻撃する細胞性免疫反応がない状態です(あればがんにはならないはずです)。これが第3回目のワクチン接種後のDTH反応テスト-2で陽性に転じた場合、ワクチンにより体内で免疫細胞が活性化したことを示しており、がん細胞に対する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が体内で誘導されたと期待できます。
なお、病院によっては、このDTH反応テスト-2を省略する場合もあります。
また、先ほど述べたようにDTH反応テスト-1が陽性になることはめったにありませんが、予想外の過敏反応がないことを確認しておくためにテストを行っています。
DTH反応
DTH反応テスト-1とDTH反応テスト-2では、ともに2日後に注射部位にできる紅斑のサイズを測定します。 直径10mm以上であれば、陽性と判定します。