まずは、手術摘出後のがん組織の確保を。
自家がんワクチンの製造には外科手術で取り出した患者さま自身のがん組織が必要です。
自家がんワクチン療法は、過去の手術にさかのぼって、摘出されたがん組織・パラフィン包埋されたがん組織が、原料として使用できることが大きな特徴です。
確保していただくがん組織は、ホルマリン漬け組織、パラフィン包埋ブロック中のがん組織のどちらでも構いません。
がん組織そのものですから、患者さま特有のがん抗原といわれるものは全部入っていると考えられます。もちろん、手術時点でのネオアンチゲンも含まれています。
パラフィン包埋ブロック
以下のホルマリン漬け組織をパラフィン(蝋)に埋め込み、ブロック状態にしてから病理診断用にごく薄い切片を切り出した残り。
パラフィン包埋ブロック1個ではがん組織量が不足がちですので、できれば、3〜4個以上を確保してください。
ホルマリン漬け組織も使えます
がんの手術後、摘出したがん組織を病理検査に使用するためいったんホルマリン漬けにしたもの。
がん組織は自分の身体の一部です。
遠慮なく返却を請求しましょう。
患者様ご自身で手術を受けた病院に依頼するのは難しいと感じられる場合は、自家がんワクチン療法を受診できる病院に医療相談に出かけ、患者様に代わって元の病院に組織返却の依頼状を書いて下さるよう、お願いしてみてください。
確保したがん組織は、ご家庭で保存しておきましょう。
手術をした病院でがん組織を確保する
これから手術を受ける方
主治医に自分のがん組織を術後に取得したい旨を、あらかじめ伝えてください。術後、主治医に、切除した組織のどこががん部位か、簡単な図を描いてもらってください。
すでに手術を受けた方
手術を受けた病院に問い合わせ、ご自身のがん組織を確保してください。何年前に手術したものでも構いません。主治医に、残っている組織のどこががん部位か、簡単な図を描いてもらってください。
がん部位を示す簡単な図の例
受診したい病院・クリニックを選ぶ
自家がんワクチン療法が受けられる弊社の提携病院・クリニックは全国にあります。
自家がんワクチンの院内調剤には、弊社の技術者が直接技術協力していますので、どこで受診しても自家がんワクチン本体の品質に変わりはありません。
※一部病院は希望によりホームページ掲載を行っておりません。
患者様のご都合により、がん組織を持参して自家がんワクチン療法を受診する病院へでかけることができない方は、在宅治療を行っている先生をご紹介いたします。お気軽にお問い合わせください。
※東京から日帰りが可能な地域に限ります。
※別途、往診料がかかります。
日曜・祝日を除き 9:00~17:30
選んだ病院・クリニックへ連絡
予約をしてから初診を受ける
初診の際は、がん組織をご持参ください。
自家がんワクチン療法での治療を行うかどうかは、初診後にご検討いただけます。詳しくは担当の先生とご相談ください。
禁忌
自家がんワクチン投与前から、すでに自己免疫疾患を発症していると疑われる場合は、絶対に自家がんワクチンを投与しないで下さい。強い免疫刺激力のため、自己免疫疾患を増悪させる可能性があります。
自家がんワクチン療法を受診する
自家がんワクチンは、がん組織を持参してから、1~2週間程度で出来上がります。外来通院で接種可能です。入院の必要はありません。
自家がんワクチン療法は原則として1コースで終了
1コースでは、免疫反応テスト(皮内テスト)2回、ワクチン本体の接種3回の計5回の皮内注射(※)を行います。病院によっては、免疫反応テストを省略する場合もあります。 通常は2週間ごとに1回(急ぐ場合は1週間ごとや10日に1回でも可)、皮内5ヶ所に、自家がんワクチンを注射します。全治療期間は約6週間となります。
※ホルマリンは、自家がんワクチンの製造工程で十分に洗浄除去され、安全性には全く問題ないレベルとなっています。
治療終了後は、経過観察をしながら今後の治療方針の相談を担当の先生と行ってください。