2017年9月28日に、セルメディシンニュースNo.326にて、
米国統計学会の声明:
. 「p値や有意性にこだわり過ぎるな、
. p<0.05かどうかがすべてを決める
. 時代はもう終わらせよう」
を取り上げて発信しました。
そのニュースはトピックスとして、→ こちらに
掲載してあります。
米国統計学会の影響が出たのでしょうか、今度は世界に冠たる学術誌、Nature誌(2019年3月20日付)で、
. 「統計的に有意差がないため、2つのデータには差がない」
. ─こんな結論の導き方は統計の誤用だ
とする声明が、科学者800人超の署名入りで掲載されました。
統計的な有意差は、p<0.05で表されます。
以下、正確な表現か否かは脇においておいて(*)、
ある治療法に例えれば、
. 「20回試して19回うまくいったらこの治療法は効くと言っていいが、
. 10回試して1回失敗するようでは、この方法はダメだ」
と言いかえれば、わかりやすいでしょうか。
そうです、10回に9回成功してもダメだと言っているのです。成功率90%でもですよ、いささか憮然としませんか。
今回の話題、実は、銀座並木通りクリニック院長・三好立先生のブログ(2019年03月28日)で教えてもら
いました。
→ https://ameblo.jp/gin-nami/entry-12450129093.html
その元をたどると、ITmedia NEWS(2019年03月26日)に行きつきます。
Nature誌によれば、なんと、調査した学術論文の51%が「統計的有意性」を誤用しており、
. 「統計的に有意差がないため、2つの群のデータには違いがない」
と結論づけているのだそうです。
この点は、明らかに間違いです。正確には、統計的には
. 「2つの群のデータには違いがあるとは言えない」
というだけであって、
. 「違いがないわけではない」
のです。
例えば、ITmedia NEWS(2019年03月26日)では、非常にわかりやすい「Be ware false conclutions」の図を引用しています。
つまり、もともとバラツキの小さい群とバラツキの大きい群で、実は平均値が全く同じだとしても、統計的に見ると、
. 前者は比較対照に比べて統計的には明瞭な差が出やすいが、
. 後者はバラツキのせいで(p値が大きくなり)、
. . 差があるかどうか統計的にははっきりわからない、
という比喩的な図です。
後者は、比較対照に比べて違いがないわけではなく、単に統計的には「わからない」というだけです。
もう一度、言いかえれば、ある治療法に関する比較対照試験で、
. p<0.05ではないから「効かない」
というわけではなく
. 「効くかどうかまだわからない」
というのが統計的な真の姿です。
うっかり臨床現場で、p<0.05ではないから、この治療法は「効かない」と見捨てていませんか?
もっと詳しい解説は、和文にて、
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/26/news112.html
に出ています。
ぜひ、ご一読を。
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追記:
(*)統計的に正確な表現は、
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「検定の結果,両者に有意差が認められた」とは、
. 「有意差があるとは,積極的に違いがあることを認めているのではなく,有意水準を下回るような確率でしか生じない事象は,偶然生じたとは考えられないので,帰無仮説が成り立っているとは考えにくい」
という意味である.
つまり,有意差があるといっても,違いのあることを完全に保障しているのではなく、
. 「違いはないと積極的に言うことは少し難しいのではないか」
という気持ちが強い消極的否定の意味合いが強い、
ことを示している。
引用元:川瀬 雅也、統計にだまされるな、続・生物工学基礎講座-バイオよもやま話。
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9104/9104_yomoyama.pdf
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というややこしさです。
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