新型コロナ禍で外出もままならない緊急事態宣言が、明日5月1日から1ヶ月延長されそうです(NHKニュース)。
病気でベッドに伏っている方は、外出関係なし、とお考えかもしれません。
風邪をひいたら風邪薬よりも先ず、睡眠と栄養、がよく効くことは多くの方がご存知と思います。これは風邪の原因であるウイルスに対抗できる免疫力が強化され、抗体ができやすくなるからです。
では、がん患者さんはいかがでしょうか?
重い病気なのだから、養生のため寝ているのがよい、と考えがちですが、この“常識”に反する研究結果が2018年に出ています。
→ https://www.cancerit.jp/61864.html
進行肺がんでは、疲労感(だるさ)が強く出てくる場合が多いのですが、穏やかな有酸素運動と筋力トレーニングを定期的に継続すると、医師が治療をあきらめた緩和ケアを受けている肺がん患者でさえ、疲労を大きく改善することが示されています。
すなわち、
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週3回最大45分間の一部指導者付き筋力トレーニング+有酸素トレーニング、および週1回のケア管理電話(CMPC)を24週間行う群、またはCMPCのみを24週間行う群のいずれかに患者を無作為に割りつけた。
12週目の時点で運動による身体的健康度および全身疲労に対する有意な効果はみられなかったが、運動セッションの少なくとも70%を完了した患者は有意な利益を得た。
疲労スコアは、運動とCMPCの併用で10%改善したのに対して、CMPC単独では2%(p = 0.01)であった。
機能的健康度の改善は11%対3%(p = 0.03)、そして、身体および機能の総合的健康度(試験結果指数)の改善は8%対4%(p = 0.04)であった。
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との研究結果が述べられています。
前向きのランダム化試験で、統計学的有意差をもって運動の有効性が判ったのは初めてです(参考文献は、上記のホームページに掲載)。
がん疾患では、相当進行していても(医師が末期がんですと診断していても)、外見上は普段と変わらず、普通に生活していることはよくあります。
これを一歩進めて、より積極的に(ただし無理はせず)、少し息切れする程度の運動を行い、筋力をアップしていれば、進行がんで意気消沈しているよりも、はるかに気分よく過ごせます。
ただし筆者は、がんによる疲労が単なる気分の問題とは考えていません。すでに、2016.07.21に発信した、セルメディシンニュースNo.285で、
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「皆さん、運動してますか?がんにかからないために」
(→ https://cell-medicine.com/topics
から、2016.07.21付の記事をご覧ください)
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と呼びかけていますが、運動は発がんリスクを明らかに下げます。
発がんは、体内の免疫監視機構が毎日のように発生するがん細胞を見逃してしまったとき、つまり体内の免疫力が低下したときに起こります。
運動は血液循環を良好にし、結果的に体内の免疫力を強化するとされていますから、緩和ケアを受けるほどの末期がんでも、がん進行を遅らせるのに役に立つ
と推定されるのです。
大型連休中で、政府が外出するな、と強く要請している最中ですが、自宅内の運動だけではなく、もし人の往来がほとんどない場所を近辺に見つけられるのなら、はや足散歩でさっと通り抜けてくるのが、効果的だと思います。
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