全世界は未だ“コロナショック”の真っ最中ですが、コロナのニュースばかりが報じられる中で、ひっそりと、しかしがん治療にとっては決定的に重要な時代の転換を告げるニュースが流れました。
5月19日付で米国臨床腫瘍学会(ASCO)より、米国FDAが免疫チェックポイント阻害剤の一つ、アテゾリズマブ(商品名 テセントリク)を、
. 非小細胞肺がん に対して
. ファーストラインで使用する
ことを承認したと報じられました。
「ファーストラインで使用する」とは、他の治療法よりも第一選択として使用して良いということです。
つまり、抗がん剤治療よりも優先的に、このがん免疫療法剤を治療に使ってよい、(言い換えれば)抗がん剤治療は後回しにしても構わない、ということです。
非小細胞肺がんは、数あるがん種のなかで最大級の患者数がいますから、この影響は甚大です。
アテゾリズマブは、既に肺がんに適応が承認されていますが、従来はすべて、抗がん剤との併用か、または抗がん剤が無効だった患者にだけ、使用が許可されていました。
これまでは「化学療法優先」こそ必要だと信奉されてきたことを示しています。
例えば、海外がん医療情報リファレンス
→ https://www.cancerit.jp/39281.html
によれば、アテゾリズマブは、
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・転移した非小細胞肺がん。
・プラチナ製剤ベースの化学療法による治療中または治療後に増悪した患者に使用されます。上皮成長因子受容体(EGFR)または未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子に変異がある患者では、これらの変異に対するFDA承認治療を行った後に増悪した場合に限り使用されます。
・EGFR遺伝子または ALK遺伝子に変異がない非扁平非小細胞肺がん患者では、初回治療としてベバシズマブ、パクリタキセルおよびカルボプラチンまたはパクリタキセル・アルブミン安定化小粒子製剤およびカルボプラチンとの併用で使用されます。
・小細胞肺がん。進展型小細胞肺がんの成人患者に初回治療としてカルボプラチンおよびエトポシドとの併用で使用されます。
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とあります。
このように、プラチナ製剤(代表例がシスプラチン)、パクリタキセル、カルボプラチン、エトポシド等の古典的抗がん剤との併用を強制していること自体がおかしなことは、化学療法と免疫療法の作用機序を考えればすぐにわかることです。
上記の抗がん剤は、すべて、がん免疫療法の主役であるリンパ球の活性化(増殖)を強力に阻害します(本来、細胞毒ですから当たり前です)。
それが、リンパ球の活性化促進剤(今回の場合は、リンパ球の増殖を阻害しているブレーキ分子の働きを塞いでしまう免疫チェックポイント阻害剤)と併用するのでは、相互に邪魔しあうことになります。
がん患者体内で足の引っ張り合いをさせるのでは、がん治療はうまく行きません(非常に微妙な調整が成功した場合のみ、お互いに相乗的な効果を発揮することがあるため、悩ましいところがあるのですが、、、、、、)。
しかし、米国では(むしろ全世界では)、抗がん剤こそががん治療の主役であると信じて疑わない主張をする一部の医師の意見が強く、簡単に抗がん剤との併用を止めるわけにはいきませんでした。
それが、今回、「IMpower110試験」の結果を受けてFDAも承認せざるを得ないこととなったものと思います。
その試験結果とは、高 PD-L1発現がある非小細胞肺がん患者を
(1)アテゾリズマブ群 1200mg/3週間ごとに点滴投与
(2)対照群 汎用されるプラチナ製剤を投与
の2群にランダムにわけ、全生存期間を比較したところ、
(1)は 20.2ヶ月(95% CI = 16.5 – not evaluable)
(2)は 13.1ヶ月(95% CI = 7.4 – 16.5ヶ月)
(hazard ratio = 0.59, 95% CI = 0.40 – 0.89, P = .0106).
でした。
アテゾリズマブ単剤による有害事象は、疲労/無力症感覚が20%以上にあったとのことです。
これは、標準治療に使われているプラチナ製剤による副作用に比べれば、“激減した”と表現しても差し支えない程の軽さです。
これらの結果は、明瞭に「勝負あった」ことを示しています。
筆者は、今回のFDA承認をもって、少なくとも肺がんでは、
「古典的抗がん剤による化学療法の時代は終った」
と受け止めています。
今後は、肺がんだけではなく、未だに低分子抗がん剤を半強制的に投与されているがん患者さんが、
. 頭髪が全部抜けた、嘔吐で食べられず体重が激減した、
というような強い副作用に苦しむことなく、副作用が軽い各種のがん免疫療法をおしなべて広く受診できる時代が目前にきたと考えております。
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