既に、2021.02.15のトピックスでお知らせしましたように、この度、総計2880例のフォローアップ調査が完了しました。
今回は、その中で見つかった「胃がん」に対する自家がんワクチンの効果が見られた有効症例について、ご案内申し上げます。
各がん種ごとの代表的症例については、従前のフォローアップ調査(2016年10月13日時点まで、1759例)にて判明した有効例が、各がん種ごとのページに掲載してあり、そこに追加した分が今回のご紹介症例です。
胃がんのページには、ソフトクライテリア(※)にて評価した「有効」例が増えています。
(※)「ソフトクライテリア」の意義については、以下に解説してありますので、ぜひご覧願います。弊社ホームページのトピックス欄で、こちらをクリック願います → 2018.03.01版
ここでいう「有効」とは、自家がんワクチン療法により、
・残存腫瘍サイズ縮小
. (RESIST基準による測定法が正確ですが、必ずしもそれによらず、画像を一見して明白に縮小または消失した場合を採用しています)
・腫瘍マーカー減少(半減以下)
・推定余命より2倍以上の延命
・QOLの明らかな改善(主にKPS基準で)
・主治医の評価による何らかの臨床上の好ましい反応
等のいずれかがあった症例を指しています。
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胃がんは、特に50歳代から急増するがんです。その発症リスクとしては、ピロリ菌感染や塩分の多い食品の過剰摂取、野菜・果物不足、過度な飲酒習慣、大量の喫煙、食事の乱れ、ストレス、過労などが挙げられています。
そのうちの一番の原因がピロリ菌感染ですが、既に抗生物質を組み合わせた除菌法が確立しています。しかし、胃がんのうち、スキルス性胃がんになりますと、非常に治りにくいことが知られています。
今回のフォローアップ調査では、有効例として見出されたうち、以下の症例が代表的な症例として胃がんのページに追加されています。
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〔症例003〕 (遠山クリニック)
64歳、男性。進行性胃がんによる胃穿孔で2001年12月緊急手術。肝転移、リンパ節転移あり(11個中4個)。術後、TS-1投与。この際の予測では余命半年。2002年10月自家がんワクチン接種。DTH-2反応陽転。ワクチン終了後、主治医の強い勧めで抗癌剤治療に戻ったが患者本人が勝手に休薬。QOLが非常に改善、ゴルフに3回も行ったという状態が継続、肝転移巣が消えかかっているという。しかし2004年7月多発性筋炎(癌の末期症状として)発症により8月死亡。
(注)この方は勝手に休薬していたため、事実上、自家がんワクチンの単独治療になっています。手術時の胃穿孔により、腹膜播種は避けられないと診断されていましたが、それでも「推定余命より2倍以上の延命」でワクチンが有効だったと評価されています。
〔症例1091〕 (ももいクリニック)
69歳、男性。胃がん、リンパ節転移あり(1cmくらいが5ヶ所、血管を巻いている)、stageIII、2009年1月に摘出。腫瘍マーカーCEAが1月で20~30であったが、11月に170、12月の1か月で倍になった。この間、化学療法(TS-1、シスプラ、イリノテカン、タキソール)で効果なし。余命半年~1年との主治医診断。
. 2010年2月自家がんワクチン接種開始、胸部に放射線治療併用。この際に照射野外の頸部リンパ節に転移発見。しかし3月に縮小、CEAが60に低下。
. 最終的には再々発をきたすも、非照射部位の「残存腫瘍サイズの縮小」、「腫瘍マーカー半減以下へ減少」により有効と評価。
(注)この方は、放射線照射だけでは滅多に出現することがないアブスコパル効果が、自家がんワクチン接種により活性化された免疫細胞を通じて現れ、放射線が当たっていない部位の頸部リンパ節転移を縮小させたものと考えられます。
〔症例1308〕 (光ヶ丘診療所)
2011年4月自家がんワクチン接種開始時点で腹膜播種あり。2012年6月、大きな問題なく生存中。自家がんワクチンはよく効いていると思う、と主治医から連絡あり。「推定余命より2倍以上の延命」、「主治医評価による何らかの臨床上の好ましい反応」による有効例である。
〔症例1461〕 (鹿島内科クリニック)
リンパ節転移あり。術後2011年12月末より抗がん剤TS-1にて治療。翌年1月自家がんワクチン接種開始、2コース分接種。アンサー(成分が丸山ワクチンと同じ)併用。2012年7月(主治医より)「現在外来でのデータも改善し、以前と変わらない状態まで戻った、TS-1もスケジュール通り内服している」とのこと。ワクチン接種前KPS80%であったものが100%に改善、海外旅行にも出かけた。体調良好、CT上も無再発・無転移。
(注)この方は、自家がんワクチンと抗がん剤、免疫刺激剤(アンサー)の同時併用のため、改善効果は自家がんワクチンのみによるものか否かは不明ですが、主治医がたいへん喜ばれた症例です。「QOLの明らかな改善」、「主治医の評価による何らかの臨床上の好ましい反応」から有効例と判断されました。
〔症例1650〕 (光ヶ丘診療所)
60歳、男性。2009年6月胃全摘出手術。脾臓も摘出。胃がん低分化型腺癌、pT3pN1M0、ステージIIIa。
2010年9月よりTS-1、CDDPで治療。2012年1月よりタキテソール単剤で9コース施行。「倦怠感、指の痛み等がひどく、息苦しさ等もある。この療法に対する信頼感もいまひとつ」との主訴あり。以後、2012年12月まで自家がんワクチンを3コース(計9回)接種。
. 2回目ワクチン投与時に強めの炎症反応出現。大きく腫れたが潰瘍はなく、ステロイド等は使わずに患部を冷却して対処。ワクチン接種部位の硬結が15x15mm。
. 2012年11月CTにて再発なし。2014年3月主治医に連絡あり。主治医は「(自家がんワクチン投与)前にがん性腹膜炎、横隔膜下の腫瘤ありの病勢より、自家がんワクチンの効果良好と考える」とのこと。
(注)光ヶ丘診療所では患者様にアンケート調査を行っていますが、この方からの回答では、
「(抗がん剤治療では出てくる)
体がだるくなり、簡単な動作が非常に
面倒になるという患者にとって最悪の
副作用がない」
とあり、自家がんワクチンの特徴を前向きに評価しています。
〔症例2244〕 (いなにわ医院)
59歳、男性。ステージIIIb。スキルス性胃がん印環細胞がん、ステージIIIB、2014年7月手術。癌直径13cm、pT4a、リンパ節転移15個あり。口側断端(+)だった。2014年10-21月自家がんワクチン療法施行。その後ピシ
バニール5KEを週1回ずつ施行。術後、元の主治医よりTS1服用指示があったが2016年3月退職のためQOL低下を不安視し飲まず、患者希望で「自家がんワクチン+ピシバニール」で経過観察。(2015年6月)月1で腫瘍マーカーを見ているが上昇なし。以後、腹水貯留、2015年12月まで生存。
(注)この方は、スキルス性の印環細胞がんという、抗がん剤では難治性で知られているタイプの胃がんで、多発転移ありでも腫瘍マーカー上昇なしの期間がかなりあったことから、「主治医の評価による何らかの臨床上の好ましい反応」の点で、自家がんワクチンは有効だったと判断されています。
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「混合診療禁止」政策により、保険診療機関である大病院では「自家がんワクチン療法」が実施できなくても、先生ご自身の患者様に対して、お近くの連携クリニックにてごく簡単に、自由診療にて実施できます。
既に、大学教授で、この連携方式により、ご担当の患者様の自家がんワクチン療法受診を実現されている先生方も何人もおられます。具体的な方法は弊社まで直接お問い合わせください。
新たに「自家がんワクチン療法」を自院でも連携方式で開始したい病院の先生方は、どうか遠慮なく弊社にご連絡下さい。Web会議にて直接説明申し上げます。
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肝がんでは、すでにランダム化比較対照臨床試験で有効性が証明されているエビデンスレベルの高いがん免疫療法です。
★“自家がんワクチン療法”は「厚労省への届け出は不要です」★
自家がんワクチンは生きている細胞を含まないため培養不要で、再生医療等安全性確保法でいう「細胞加工物」(人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの)に該当しないためです。
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