がんの姑息的手術でも自家がんワクチン療法のチャンスは到来する 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

がんの姑息的手術でも自家がんワクチン療法のチャンスは到来する

抗がん剤以外の治療法 

がんの手術は、完全な治癒をめざす「根治手術」と、それが不可能とわかっていても行なう「姑息手術」に大別されます。

ここでいう、「姑息手術」とは、

がん細胞を完全に取り切るのは不可能でも、手術によってがん病巣を小さくしたうえで、他の療法でカバーできるようにしようというものです。

当然ながら姑息的な手術では、がんが再発する可能性が非常に高いのですが、がんによる臓器の出血や狭窄を治療してQOL(生活の質)を一過性であれ大幅に改善したり、がん細胞の量を大幅に減らすことによって、併用される化学療法や放射線療法などによる効果
を高めようとします。

特に、がんが原発巣から遠く離れた臓器に転移している場合は、どのがん種でもステージIVと診断され、手術をしても無駄だとされてしまい、抗がん剤治療が選択される場合が多くなります。

弊社からのニュースNo.445 (2021.04.20)
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「大腸がんステージIVでは抗がん剤治療のみで手術はしない、だけでいいのでしょうか?」
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→ https://cell-medicine.com/topics/%e5%a4%a7%e8%85%b8%e3%81%8c%e3%82%93%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%bc%e3%82%b8iv%e3%81%a7%e3%81%af%e6%8a%97%e3%81%8c%e3%82%93%e5%89%a4%e6%b2%bb%e7%99%82%e3%81%ae%e3%81%bf%e3%81%a7%e6%89%8b%e8%a1%93%e3%81%af/

では、

大腸がんで、発見されたときにはリンパ節や肝臓に遠隔転移があるステージIVの進行がんの治療において、

(1)「抗がん剤治療のみ」(手術はしない)
と、
(2) 「先に手術 → 後から抗がん剤治療」

の群にランダムに割り付け(盲検下ではなく)、それぞれの群に治療を行った試験を行ったところ、

「どちらでもよい」

という結果となった、
(全生存期間中央値はほぼ同じだった)
とお伝えしました(Ref. 1)。

なお、ここで行われた手術は、遠隔転移巣まで完全切除はできませんので、とりあえず増悪抑制を図るための(全部はとれない)姑息的な手術となります。

しかし、既に多くの人々に知れ渡っているように、抗がん剤治療は(特に、古くからある細胞障害性低分子抗がん剤シスプラチン等を使用すると)、強烈な副作用に見舞われて苦しむことが多々あります。

(なお、進行肺がんでは、細胞障害性低分子抗がん剤で強力な化学療法を続けると、かえって命を縮めます。
→ Temel JS, N Engl J Med 2010; 363:733-742.)

ここでもし、姑息的手術で切除された「がん組織」を有効利用できるなら、

上記の
(1)「抗がん剤治療のみ」の群
よりも、
(2)「先に手術 → 後から抗がん剤治療」の群には、
追加できる治療法がある分、結果的に有利になる可能性があります。

特に、追加できる治療法が確実に有効だと証明された方法であるならば、(2)の方が一層有利になります。

しかし、現時点では、大腸がんで抗がん剤治療と同等ないしそれ以上に確実に有効となる方法は、保険診療では承認されているものがありません。

そこで弊社では、(2)の方法で採取された大腸がん組織の有効利用法として、自由診療とはなりますが、

自家がんワクチン療法

を追加されることを検討されるよう、お勧めしております。

特に、(2)の変法として、

「先に手術 → 次に、自家がんワクチン療法
   →(もし成功したら、後の抗がん剤治療は
     不要になる)
   →(もし失敗したら)後から抗がん剤治療」

とする方法が考えられます。

自家がんワクチン療法では、大腸がんに対し、未だ、明瞭な第III相臨床試験を行っているものではありませんが、以下のような主治医が驚いた症例があります。

→ https://cell-medicine.com/cases/daichogan/
にある

症例0994〕 (因島医師会病院)

の図をご覧ください。この症例については学術論文も発表されています(Ref. 2内のケース2)。

他にも、肺がんに対しては、

症例0144〕 (尾道総合病院)
→ https://cell-medicine.com/cases/haigan/

の例があります。この症例も、

「胸水混濁アデノカルチノーマ」

でしたから、予後はもはや絶望的な方でした。

しかし、姑息的な肺がん手術後に自家がんワクチン単独療法を追加した結果、当該ページに図示してありますように、約1年間の無再発期間を享受できています。

これは、いわゆる自家がんワクチンの「地固め効果」によるものと推定されています。

ここで、誤解なきようにお願いしたいのは、弊社では決して、
“がん組織を採取するために手術する”
ことをお勧めするものではありません。

あくまでも、
“姑息的な手術で採れたがん組織を有効利用する”
ことをお勧めするものです。

この目的を取り違えないようにお願い申し上げます。

References

1. https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.20.02447
Kanemitsu Y, et al.
Primary Tumor Resection Plus Chemotherapy Versus Chemotherapy Alone for Colorectal Cancer Patients With Asymptomatic, Synchronous Unresectable Metastases (JCOG1007; iPACS): A Randomized Clinical Trial.
J Clin Oncol (2021) 39:1098-1107.

2. https://link.springer.com/epdf/10.1186/s12957-017-1245-x?author_access_token=uG4hIrcnMMae5LgX19bim2_BpE1tBhCbnbw3BuzI2RNjlAHzAZ_xfTX3hcUI-0Mi7CeqY2b2tRqx8Ou2MuQh8U10LZsRzy8tZj9sxB6sbloc0M5RvDUlawP4J44yLkaxGOz054KNcSRBifm02urzLw%3D%3D
Imaoka Y, et al.
Long-lasting complete response status of advanced stage IV gall bladder cancer and colon cancer after combined treatment including autologous formalin-fixed tumor vaccine: two case reports.
World J Surgical Oncol (2017) 15:170.
DOI 10.1186/s12957-017-1245-x

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抗がん剤が効きにくい“スローな癌”こそワクチンで
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大病院の先生方へ:

「混合診療禁止」政策により、保険診療機関である大病院では「自家がんワクチン療法」が実施できなくても、先生ご自身の患者様に対して、お近くの連携クリニックの外来にてごく簡単に、自由診療にて実施できます。

既に、大学教授で、この連携方式により、ご担当の患者様の自家がんワクチン療法受診を実現されている先生方も何人もおられます。具体的な方法は弊社まで直接お問い合わせください。

新たに「自家がんワクチン療法」を自院でも連携方式で開始したい病院の先生方は、どうか遠慮なく弊社にご連絡下さい。Web会議にて直接説明申し上げます。

大病院から小型診療所まで、どこでも簡単に実施可能です。しかも初期投資も不要です。

肝がんでは、すでにランダム化比較対照臨床試験で有効性が証明されているエビデンスレベルの高いがん免疫療法です。

★“自家がんワクチン療法”は「厚労省への届け出は不要です」★

自家がんワクチンは生きている細胞を含まないため培養不要で、 再生医療等安全性確保法でいう「細胞加工物」(人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの)に該当しないためです。

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