がんは切っても捨てるな、それが自分のがんと闘う 武器になる!~その2~ セルメディシン株式会社が紹介する自家がんワクチン療法に関する記事や、論文をご覧いただけます。

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がんは切っても捨てるな、それが自分のがんと闘う 武器になる!~その2~

大野忠夫:がんは切っても捨てるな、それが自分のがんと闘う武器になる!~その2~
日本先制臨床医学会第4回学術大会(東京), 2021年11月21日

 本会第2回大会(2018.11.11)で基調講演を行ったときの演題が「がんは切っても捨てるな、それが自分のがんと闘う武器になる!」であった。
 その際に紹介したのが、がん患者自身のホルマリン固定・パラフィン包埋がん組織を原材料とした、がん再発・転移予防、微小がん治療のための
    “自家がんワクチン”(AFTV)
である。
 術後肝細胞がんでは、ランダム化比較対照試験の結果、無再発生存期間(PFS)、全生存期間(OS)で統計学的な有意差が出ている。症例報告レベルでは、肝がん、脳腫瘍、腹膜がん、腎盂がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸部小細胞がんで劇的な効果が観察された例を紹介
した。今回は、脳腫瘍のうち最悪性である膠芽腫(GBM)に絞って、その後の研究の進捗状況を中心に報告する。                                 
 膠芽腫は、いかなる手術も“絶対非治癒切除”に終わるため、MRI画像上では全部取り切ったはずでも、再発は避けられない。現在の術後標準治療(Stuppレジメン:放射線治療+テモゾロミド治療)では、初発GBM術後の中央値(m)でいうmPFSが6.9ヶ月、mOSが
14.6ヶ月、3年生存率は20%程度である。しかし、これにAFTVを上乗せ治療した2本の単群の臨床試験(Phase I/IIa)では、mPFSが7.6、8.2ヶ月、mOSが21.4、22.2ヶ月と延長傾向が見られた。特に2本目のUMIN000001426試験では、3年生存率が38%となり、
安全性についても問題はなかった。
 本邦で承認されている医療機器オプチューンによる上乗せ治療では、3年生存率が25%に留まる。そこでランダム化比較対照試験(UMIN000010602)を実施したところ、AFTV群と対照群の間では有意差がなかったが、全摘した症例の間では差がある傾向が認められた。
 筑波大学では、初発膠芽腫277例についてレトロスペクティブに解析したところ、Stuppレジメンに何らかの免疫療法を併用した39例(うちAFTV併用例は31例)で、全摘例のmOSが36.9ヶ月に達し、5年生存率が43.3%となっていた。同時期の全摘標準治療群ではmOSが25.7ヶ月で有意差が認められた(Ishikawa et al.BMC Neurol 2021;21:282)。
 そこでAFTVの脳腫瘍版にCellm-001との開発番号を付し、現在、本邦の11大学による医師主導治験phase III試験に入っている。
 なお当社では、別途、自由診療による自家がんワクチン療法も継続してサポートしており、実施病院・クリニックは既に国内84ヶ所に達している。

注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。

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