「自家がんワクチン」療法は、自家のがん細胞だけを殺す細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を体内で誘導増殖させるために行います。CTLの特異性は非常に高く、ねらった患者様自身のがん細胞しか殺しません。たとえ同じ種類のがんでも、他人のがん細胞は殺しません。がん抗原(TAA)が少しでも違えば、敵とは認識しないのです。その代わりいったん敵と認識すると殺し方も強烈で、1個のCTLは1個のがん細胞だけではなく、相手をなぎたおすように次々にがん細胞を殺していきます。
それに対して、ナチュラルキラー細胞(NK)は、異常目印がなくてもがん細胞を殺します(がん細胞が阻害分子を発現して抵抗した場合は別
です)。CTLとNKでは役割分担が異なるのです。また「自家がんワクチン」療法と一般的な免疫細胞療法との違いについては、A8をご覧ください。