. 2022年4月26日に着信したASCO(米国臨床腫瘍学会)からのニュースでは、
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. 新型コロナウイルスへのワクチンでmRNA型のワクチンを注射しても、白血病患者(非ホジキンリンパ腫で 慢性リンパ腫を含む))では、できた抗体のウイルス中和活性が低い。ウイルスがオリジナル株のSARS-CoV -2に対してもそうだが、オミクロン株やデルタ株に対する中和活性はもっと低い。
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との論文が出たとのことです(Ref. 1)。
. 原著論文に目を通してみると、できた抗体のSARS-CoV-2のスパイクタンパクへの結合活性は、白血病患者では健常者の「85分の1」しかないとあります。
. 新型コロナウイルスに対する中和活性は抗体の結合活性と相関していて、やはり低いとのデータが示されています(p<0.0001)。
. 日本人の悪性リンパ腫の90%以上を占めるのが非ホジキンリンパ腫です。
. 非ホジキンリンパ腫では、“がん”化しているリンパ球の種類によってB細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、NK細胞腫瘍に分類されます。
. 抗体はB細胞で作られので、B細胞ががん化した非ホジキンリンパ腫の場合は、できる抗体量が異常に少なくなる、できた抗体分子自体が異常なものとなるとの 想定はしやすいのですが、 もし、T細胞リンパ腫、あるいはNK細胞腫瘍の間接的影響によって、(まだ正常な)B細胞で作られる抗体量・抗体分子が異常になっている場合があるとすれば、 T細胞、あるいはNK細胞は、固形がんを殺す役割を果たす免疫細胞群ですから、それら細胞自体による白血病に限らず、潜在している他のがん細胞の悪性化にも 大きな影響を及ぼす可能性が考えられます。
(注:がん細胞は、健康な人のカラダでも多数(学説によっては1日に5000個も!)できることがわかっています。)
. もし、運悪く白血病を患っている患者さんは、新型コロナウイルス感染には、慎重さに慎重さを重ねて、注意していく必要があると思われます。
Reference
1. Chang A, Akhtar A, Linderman SL, et al.
Humoral responses against SARS-CoV-2 and variants of concern after mRNA vaccines in patients with non-Hodgkin lymphoma and chronic lymphocytic leukemia.
J Clin Oncol. Published online April 18, 2022. doi:10.1200/JCO.22.00088
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