CAR-T細胞療法で新規に血液がん細胞ができてしまうリスクは、他の治療法と同じレベルで心配ないそうです 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

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CAR-T細胞療法で新規に血液がん細胞ができてしまうリスクは、他の治療法と同じレベルで心配ないそうです

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 がん免疫療法の新顔で、血中に豊富にあるリンパ球の遺伝子を人為的に改変して、がん細胞を認識してくっついてしまうタンパクをリンパ球表面に出させるようにして、人工的なキラー細胞に作り替えたものにCAR-T細胞があります。

 CAR-T細胞は、B細胞由来の白血病の治療で、たった一度の注射で劇的に効くとされ、大成功を納めたため、米国を始めとして、急速に世界中で普及しつつあったのですが、

ある日、突然、急ブレーキがかかりました。米国の規制当局(FDA)が、「人為的に改変したリンパ球が遺伝子変異を起こして、新たながん(白血病)を作ってしまう危険性がある」として、警告ラベルをつけるように命じたのです。

 さすがに、がん(白血病)治療のために新たにがん(白血病)になってしまったのではたいへんです。このため、世界中で騒ぎになりました。

 しかし、先週9月11日、米国からのMedPageToday誌に、「CAR-T細胞療法による2番目の悪性腫瘍リスクは、他の治療法と同等です - 発生率は、ランダム化試験における標準的ながん治療とほぼ同じです」というニュースが発表されました。

 5,517人の患者(追跡期間中央値が21.7ヶ月)で、二次原発性悪性腫瘍(SPM)の発生率が5.8%だと示されたのです。

 この発生率は、CAR-T細胞療法ではない、他の標準治療を受けた場合のSPMの発生率とほぼ変わりありません。そのため、CAR-T細胞療法に対して、特に警告ラベルをつける必要はない、という結論が導かれています。

 それにしても、SPMの発生率が5%代もあるというのは白血病の怖さを示していると思いませんか?

 なにしろ、20人に一人の白血病患者さんで、治療に伴って新しい白血病が登場し、結局、治療が無効になってしまうのですから。

 日本で承認されているCAR-T細胞には、以下のような商品名があります:

 キムリア – 主に急性リンパ性白血病や大細胞型B細胞リンパ腫の治療に使用されます。

 イエスカルタ – 大細胞型B細胞リンパ腫の治療に使用されます。

 ブレヤンジ – 再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫および濾胞性リンパ腫の治療に使用されます。

 カービクティ – 再発または難治性の多発性骨髄腫の治療に使用されます。

 アベクマ – 再発または難治性の多発性骨髄腫の治療に使用されます。

 いずれも、適応は血液細胞由来の悪性腫瘍(白血病を含みます)です。これは、CAR-T細胞には、がん塊中に潜り込んでいくのが不得意だという特徴があるからです。

 (血中を流れている白血病細胞は、いわば裸の細胞状態ですから、CAR-T細胞が攻撃しやすいのです。)

 がん塊中に潜り込んでいって、固まっているがん細胞をどんどん殺していけなければ、固形がんの治療はできません。

 それに引き換え、弊社の「自家がんワクチン療法」により、体内で活性化したキラーT細胞は、ごく簡単に固形がんの中に潜り込んでいくことができるとされています。

 実際に「自家がんワクチン療法」では、固形がんの治療ができた症例が多数あることからわかります。

 (ただし、がんのサイズが巨大でなければ、という条件下です。そのため、弊社では、できる限りがんが微小なうちに、「自家がんワクチン療法」の受診をお勧めしています。)

 ぜひ、弊社のホームページから、「有効症例ライブラリー」
   https://cell-medicine.com/cases/library.php
 のページをご覧ください。

注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。

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