乳がん脳転移:自家がんワクチン投与後2年5ヶ月無再発の方がいます 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

乳がん脳転移:自家がんワクチン投与後2年5ヶ月無再発の方がいます

症例のご紹介 

&&――――――【キーポイント】――――――&&

がんが脳に転移したら、ガンマナイフという強力な放射線治療がありますが、それでも再発を繰り返してきたがんの治療に、自家がんワクチン療法は役立っています。

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  乳がんが、乳房から遠くの組織に転移するとき、脳は転移しやすい先の一つとしてよく知られています。

 しかし、実際に脳転移を起こしてしまうと、その治療は場所が場所だけに、非常に厄介です。

 東京の著名な大病院にて手術、放射線照射がおこなわれ、銀座並木通りクリニックにて自家がんワクチン療法を受けたこちらの方は、結果良好でした。

〔症例3699〕

(腫瘍組織説明書より)癌種:乳がん 転移再発部位:脳

(以下、2022年2月の「病理組織 新レポート」より)

免疫染色でCK7+、CK20-、GATA3 focal+、AR-、SOX10+、ER陰性、PgR境界域(3%、PS2+IS1=TS3)、HER2陰性(score1+)、PD-L1(22C3)陰性

 この方は、実際には乳がんの中でも治療困難なトリプルネガティブというタイプです。このタイプでは、乳がんで汎用されるホルモン療法が効きません。

 患者さまが当初に治療を受けた大病院では、手術後、脳に対する強力な放射線照射がピンポイントでできるガンマナイフで定位放射線治療をしていましたが、脳転移部位が壊死、脳内で浮腫を起こしてしまいました(脳内の浮腫は脳圧が上がる危険な兆候です)。

 脳転移が再発を繰り返したために、定位放射線での治療を繰り返した結果、radiation necrosis(放射線による壊死)を起こして制御できなくなったのです。

 患者さまは、これ以上の放射線治療はできないといわれ、2回目の手術を受けることになりました。

 その手術により採取されたがん組織を使って、再発の予防となることを期待して、自家がんワクチン療法を選ばれました。

 治療結果は明快で、「自家がんワクチン投与後2年5ヶ月、無再発」となっています。「結果はよかった。」と、銀座並木通りクリニックでは前向きに評価しています。

 乳がんが遠い臓器に転移した場合、転移部位に対する放射線照射は常套手段の一つとなっていますが、この方のように、

 “繰り返す強力な放射線治療”

は危険な副作用をもたらすことがあります。

 ガンマナイフではなく、通常のX線で照射する場合、一般的には、累積最大線量で50~60グレイが効果的な線量とされています。

 これを1回に2グレイずつに分割して照射し、副作用が極力出ないようにしつつ、累積で最大線量にまで照射していくのが、よく行われているX線による放射線治療です。

(これ以上、照射しますと、がんの周囲にある正常組織まで壊死を起こすため、この線量までが限界とされています。)

 しかし、上記の患者さまの治療経過は、手術後の放射線治療を複数回繰り返しても制御できなかった転移がんを、再手術と自家がんワクチンでの治療に切り替え、制御に成功していることを示しています。

 最近は新しい治療方法を求めてさまざまな臨床試験が行われています。

 銀座並木通りクリニックでは、化学療法薬だけでなく、免疫療法と放射線治療を組み合わせた治療にも挑戦が始まっています。

 がん細胞のいる環境(微小環境)に作用する治療を行うことにより、これまで制御が難しかったがんでも、治療がうまくいく症例が出はじめています。

より長く生きられるという安心感を!

You Tubeで【自家がんワクチンとは】をご覧ください。

注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。

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