甲状腺がんでも:自家がんワクチンの有効例がでました 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

甲状腺がんでも:自家がんワクチンの有効例がでました

症例のご紹介 

 甲状腺がんは、がんの中では比較的おとなしい方のがん種です。
 日本における2020年の報告では、甲状腺がんは16,427例もあります。
https://ganjoho.jp/public/cancer/thyroid/print.html

 甲状腺がんの患者様の90%以上が、初回治療として手術を受けています。また、放射性ヨウ素(I-131)内用療法を用いた放射線治療もよく使われます。

 ただし、甲状腺がんの中の約1~2%の割合を占める「髄様がん」は、悪性度が高く進行が速いことから、甲状腺周囲の臓器(反回神経、気管、食道など)への浸潤や全身の臓器への転移を起こしやすいという特徴があります。

 髄様がんでは、カルシトニンとCEA(がん胎児性抗原)が腫瘍マーカーとして扱われます。
「カルシトニン/CEA」の比が「分化(おとなしいがん)/未分化(悪性度の高いがん)」の指標となっています。

 以下の患者様は、甲状腺の髄様がんで、甲状腺の左右に2つありました。そのうちの片方を手術、そこから製造した自家がんワクチンを用いて治療を行っています。

 以下が、この方の経過です。

2016.08:甲状腺がん告知。CEA700、カルシトニン4000、カルシトニン/CEA比 5.71
    (この比が10未満では、がん全体として悪性と判断される。)
2016.10:大学病院にて甲状腺全摘とリンパ節郭清手術。甲状腺髄様がんでリンパ節転移20個
    (30個中)。(名古屋麻酔科クリニックにて)
2016.12:自家がんワクチン投与開始。(大学病院にて)
2017.04:左右の頸部リンパ節に局所再発(右1cm、左5mm 穿刺吸引細胞の検査の結果、
     右のみ癌細胞あり。
2017.08:右頸部リンパ節(直径1cm)のみ摘出、主治医からは、この先あちこちに転移、
     再発があるだろうからもう手術はできないと言われる。
2017.09:(弊社に連絡あり)
     「2017.04以降、5月6月と2回続けて腫瘍マーカーが下がり、自家がんワクチンの効果だと
     思ってはいるのですが(薬も飲んでいないし、黙っていて腫瘍マーカーが下がるような
     おとなしい癌ではありません)、8月に右の1cmリンパ節のみ摘出手術をしました。
     左は4mmで見つけ出せないため。」
   →(弊社から返信)
     「お問い合わせの件、お答え申し上げます。その前に、何よりも先ず、受診後のご報告、
     有難うございました。4月にリンパ節の局所再発があったにもかかわらず、「5月6月と2回
     続けて腫瘍マーカーが下が」ったのは、「8月に右の1cmリンパ節のみ摘出手術」の前です
     から、明らかに自家がんワクチンの効果ですね。おめでとうございます。」
2019.10:(ご本人より相談フォームにて)
     「2017年の再発手術後から若干CEAと癌ホルモン値がやや高いものの、この2年間はずっと
     横ばい状態で、自家がんワクチンのおかげで元気に働き運動もして生活しています。
     奇跡です。本当に本当にありがとうごさいます。」

 この患者様は筆まめな方で、この後もいくつか質問をいただいているのですが、少なくとも2020年10月までのご連絡では、全く問題なく、ご健在でした。
 しかし、さらに3年後、2023.07:6年前(2017.09)に切除できなかった左頸部リンパ節も切除。追加ワクチン希望となり、ワクチン2本を納品(2023.08)。その後は、連絡待ちの状態が続いています。

 ともあれ、患者様から直々に「奇跡です」と言われたのは弊社でも初めてです。嬉しいですね。

より長く生きられるという安心感を!

You Tubeで【自家がんワクチンとは】をご覧ください。

注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。

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