風邪ウイルスの意外な効用-アメリカ癌学会報告から 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

風邪ウイルスの意外な効用-アメリカ癌学会報告から

最新の学会から 

本年4月1~5日に恒例のアメリカ癌学会(AACR2017)がワシントンD.C.で開催されましたが、その中で、意外な新しいがん免疫療法が紹介されました。

コクッサッキーウイルス(Coxsackievirus) A21は、一般的な風邪ウイルスで、腫瘍細胞表面に発現が増加する分子ICAM-1を介して細胞に感染し、感染した細胞の融解を起こすため、免疫療法的活性があることがマウス実験では知られていました。

その生ウイルス製剤(CAVATAK)と、免疫チェックポイント阻害剤イピリムマブ(商品名はヤーボイ)と組み合わせて、ヒトの皮膚がんであるメラノーマの治療を試みたのです。

メラノーマは皮膚表面に出ていますから、風邪ウイルスを直接メラノーマ内に注射できます。

治療開始1,3,5,8,22日目、およびそれ以降3週間ごとに358日目までウイルスを腫瘍内に直接注射、並行して22日目からイピリムマブ(3mg/kg)の点滴による全身投与を開始し、3週間ごとに4回まで投与したところ、
「腫瘍サイズが半分以下になった症例(PR)
             +腫瘍が消えた症例(CR)
の割合(ORRといいます)が全体(22例)の50%(11例)に達したとのことです。

それ以前の治療法の成績では、
イピリムマブ単独療法では、ORR=10.9%
別種の免疫チェックポイント阻害剤治療後に、イピリムマブ単独療法を施行した臨床試験では、ORR=13%
生ウイルス製剤(CAVATAK)単独療法では、ORR=28.1%
でしたから、

ORR=50%というのは明らかに高く、「風邪ウイルス製剤(CAVATAK)+イピリムマブ」の組み合わせ療法は、希望が持てる治療法だというわけです。

では、“風邪を引いた方が、皮膚がんが早く治る”のか、というと、上記の臨床試験はそういう証明では全くありませんので、早とちりをしないように願います。

要するに、放射線でも、抗がん剤でも、ウイルスでも、とにもかくにもがん細胞を破壊すれば、そこからがん抗原が放出されて、次の戦線に控えているがん免疫療法(上記の場合はイピリムマブ)が一層効果的に作用する、ということを示しているのです。

もちろん、がん免疫療法として弊社の「自家がんワクチン」でも、ウイルス療法との併用効果が期待できることを、今回のアメリカ癌学会での報告は示しています。

【ご案内】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

大規模病院の先生方へ:

「混合診療禁止」政策により、大規模病院では「自家がんワクチン療法」が実施できなくても、先生ご自身の患者様に対して、お近くの連携クリニックにて簡単に実施できます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

既に、大学教授で、この連携方式により、ご担当の患者様の自家がんワクチン療法受診を実現されている先生方も何人もおられます。具体的な方法は弊社まで直接お問い合わせください。必要な投資額はわずか30万円前後です。

新たに「自家がんワクチン療法」を自院でも開始したい病院の先生方は、どうか遠慮なく弊社にご連絡下さい。直接説明に伺います。

大病院から小型診療所まで、どこでも簡単に実施可能です。しかも肝がんでは、すでに無作為比較対照臨床試験で有効性が証明されているエビデンスレベルの高いがん免疫療法です。

★“自家がんワクチン療法”は「厚労省への届け出は不要です」★

自家がんワクチンが、生きている細胞を含まないため培養不要で、再生医療等安全性確保法でいう「細胞加工物」(人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの)に該当しないためです。

**********△▲***▽▼********************△▲***▽▼***********

注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。

ご相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。