様々ながんに対して数多くの有効症例が報告されています。
完治しないと言われているがんが治った症例も!
臨床効果の評価法について
症例報告による評価(ソフトクライテリア)
2020年12月末日時点までにフォローアップ調査した2880例のさまざまながん症例のうち、経過が判明した1351例についてソフトクライテリアの観点から評価した治療成績を右図にまとめました(2021年2月12日更新)。
評価済み症例中、43.2%の症例で、臨床的に見てなんらかの改善効果(有効例+1年以上の長期不変・無増悪例)が見出されております。
有効と長期不変(1年以上)の割合が高い自家がんワクチンはとても有利です。
ハードクライテリア、ソフトクライテリアとは
ハードクライテリア
固形がんの治療効果判定は、RECIST法で評価されるのが一般的です。RECIST法では標的病変の評価を、下記のように記述し、全体の症例数中で占めるCR+PR症例の割合が奏効率(Response Rate、%)、CR+PR+SD症例の割合が疾患制御率(Disease Control Rate、%)として新しい治療における評価基準としています。
完全奏効(complete response; CR) | すべての標的病変の消失。 |
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部分奏効(partial response; PR) | ベースライン長径和と比較して標的病変の最長径の和が30%以上減少。 |
安定(stable disease; SD) | PRとするには腫瘍の縮小が不十分で、かつPDとするには治療開始以降の最小の最長径の和に比して腫瘍の増大が不十分。 |
進行(progressive disease; PD) | 治療開始以降に記録された最小の最長径の和と比較して標的病変の最長径の和が20%以上増加。 |
しかし、治療の副作用で苦しめられ、実際には長生きできないというのでは意味がありません。そこで各国は「全生存率(OS)で評価しても確かに延命効果がある」という証明がなければ新規治療として認めない、という方針に転換しています。以上のように奏効率やOSで評価した延命効果は、それぞれ意味が異なるとはいえ、しっかりした科学的基盤を持つ評価基準であるため、“ハードクライテリア”として分類できます。
ソフトクライテリア
一方、がん免疫療法を施行すると、目を見張るようなCR・PR症例が出ることは多くはありません。ところが、癌の大きさは不変(SD)でも、生存期間やQOL(生活の質)が劇的に改善される個々の症例は多数認められます。そこで我々はCR・PRに代わる評価法として、「長期SD」(自家がんワクチン接種後1年以上の無再発を含む)や「QOLの改善」の他に、「癌の一部が縮小した」、「臨床症状が改善した」、「医師の予測よりも長生きした」、「腫瘍マーカーが低下した」等の評価基準を用いて、“ソフトクライテリア”によって「がんに対する何らかの改善効果」を表しました。
当社では、このような観点から、ハードクライテリアによる厳密な評価がなされた自家がんワクチン療法の臨床成績とともに、臨床現場で使いやすい評価基準「ソフトクライテリア」による治療成績表も公表していくことにしております。