乳癌骨転移のCR症例:自家がんワクチン併用放射線治療後の成功第2例目について
Eradication of breast cancer with bone metastasis by Autologous Formalin
Fixed Tumor Vaccine (AFTV) and radiation - The sucessful 2nd case of our hospital
倉西文仁1) 、小川尚之1) 、小川喜輝1) 、大野忠夫2)
1) 因島医師会病院 外科、 2) セルメディシン(株)
(はじめに)乳癌骨転移の予後は不良であり、放射線治療後でもCRは希少である。我々は、術後リンパ節再発(+)骨転移(+)例に対して「自家がんワクチン(AFTV)+放射線照射」を行いCRとなった2例目を経験したので報告する。
(症例)59才女性、2011年乳癌(T1N1M0)に対して非定型的乳房切除を施行。術後の化学療法は拒否(食道癌にて化学放射線療法の既往あり)、ホルモン治療もSEのために不可能であった。2013年腋窩リンパ節再発、骨転移(PET)を認めた。そのため、AFTV接種、リンパ節廓清、骨転移に対する放射線照射を行った。経過観察(PET)にてCRと判明している。
(考察)骨転移を伴う乳癌に対して、手術、AFTV、放射線照射、化学療法の順に行い6年間CRを維持している第1例を経験している(World J Surg Oncol 2013, 11:127)。本症例も放射線治療に先行してAFTVを使用しており、AFTVによる免疫状態の改善が照射後のCR実現に寄与していると想定される。AFTVはSEも殆どなく考慮すべき骨転移治療手段と考える。