13. どんながんにでも効くのですか? 自家がんワクチンやがん免疫療法のみなさまから寄せられる質問とその回答をご紹介します。

よくあるご質問

13. どんながんにでも効くのですか?

「自家がんワクチン」が患者様の体内で、狙ったがん細胞を殺せるキラー細胞をうまく活性化できれば、狙ったがんがどんな種類であれ、効果が期待できます。 しかし、CTLの増殖スピードよりもがん細胞の増殖スピードが早い場合は、CTL増殖が追いつかないため、がん細胞を殺しきれなくなってしまいます。そのため、あまりにも進行し最末期になってしまった患者様では、「自家がんワクチン」療法では対抗しきれないという事態が起こります。
また、がん細胞のなかにはその異常目印(TAA)を示さないように変異したやっかいものが出来てくることがあります。その場合、CTLは、敵と認識できず、見逃してしまいます。この結果、がんの末期でなくても再発や転移が発生します。がん末期になってしまうと、なおさらこの確率が高くなってきます。
しかし、キラー細胞のうちNKは、相手にこの目印がない、本来体内にない異常細胞であれば、どれでも殺してしまいます。ただし、相手側の細胞にNKに殺されないようにする阻害分子(CTLに対して目印を示す分子の1種でもあります)が備わっていると殺すことができません。正常細胞はこの阻害分子を持っていて、示す目印も正常のものなのです。がん細胞はこの阻害分子を持っていないことが多いのですが、まれに持っている場合もあります。
したがって、がん細胞が異常目印を示す分子を持っている場合はCTLが殺し、異常目印を示す分子を持っていない場合(阻害分子もない場合)はNKが殺すことができます。がん細胞が異常目印を示す分子を持たず、しかも、NKにも殺されないようにする阻害分子を持っているという、全く運の悪い場合は少ないと考えられていますが、万一あれば、がん免疫療法はうまくいきません。

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