31. 組織学的に見れば、各種の臓器は多種多様な細胞からできています。このような組織においては、がん抗原も多様と思われ、一つのがん組織1.5グラムから量的に十分な多種多様ながん抗原を得ることは不可能ではないのでしょうか? 自家がんワクチンやがん免疫療法のみなさまから寄せられる質問とその回答をご紹介します。

よくあるご質問

31. 組織学的に見れば、各種の臓器は多種多様な細胞からできています。このような組織においては、がん抗原も多様と思われ、一つのがん組織1.5グラムから量的に十分な多種多様ながん抗原を得ることは不可能ではないのでしょうか?

はい、その可能性は否定できません。しかし、がん細胞中のがん抗原タンパクの量は超微量です。微々すぎて測れない程の量です。悪性のがん細胞といえども、ほとんど全部が正常細胞と同じ正常タンパクで構成されていますから、その細胞表面に提示されるがん抗原ペプチドたるや、超微量にすぎません。それでも適切に活性化された免疫機構ならば、がん細胞表面に提示されている超微量のがん抗原ペプチドを識別できます。ですから、正常組織が混じっていても大きな問題になりません。免疫機構を刺激できる最低量のがん抗原量さえあれば良いのです。ただしこの最低量は個々人によってばらつきが激しいと想定されるため、結局は「自家がんワクチン」投与後の臨床的結果でしか有効性は判断できないのが現状です。

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