はい、その可能性は否定できません。しかし、がん細胞中のがん抗原タンパクの量は超微量です。微々すぎて測れない程の量です。悪性のがん細胞といえども、ほとんど全部が正常細胞と同じ正常タンパクで構成されていますから、その細胞表面に提示されるがん抗原ペプチドたるや、超微量にすぎません。それでも適切に活性化された免疫機構ならば、がん細胞表面に提示されている超微量のがん抗原ペプチドを識別できます。ですから、正常組織が混じっていても大きな問題になりません。免疫機構を刺激できる最低量のがん抗原量さえあれば良いのです。ただしこの最低量は個々人によってばらつきが激しいと想定されるため、結局は「自家がんワクチン」投与後の臨床的結果でしか有効性は判断できないのが現状です。