自家がんワクチンで活性化したリンパ球は5年半後でも元気です 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

自家がんワクチンで活性化したリンパ球は5年半後でも元気です

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(以下の記事と同じ内容が、銀座並木通りクリニック・院長・三好立先生のブログに非常にわかりやすく書かれています。以下の記事がややわかりにくい、と感じられる方は、先ず先に三好立先生のブログをご覧ください。→ こちらです。 )

患者様からよく聞かれることですが、弊社の自家がんワクチンはいつまで効くのか、という質問があります。

弊社のホームページで、
https://cell-medicine.com/faq/173/
に、

14. 「自家がんワクチン」の効果はどのくらい続くのですか?

と、同じ質問が書いてあります。

理論的には一生の間のはずです」とお答えしていますが、本当にそうかどうか、これまでに確かめたことがありません。

“理論的には”という言い方は、実は弊社で科学的にみてしっかりしたデータ、即ち、ヒトの一生を追跡して得たがん免疫反応のデータ、を持っているわけではないことに由来しています。

免疫学の教科書に書かれているか、ホームページに掲載されているように、
————————
終生にわたって免疫記憶を保持すると考えられているメモリーT細胞』(Ref. 1)があって、自家がんワクチンによる強い免疫刺激でも、そのようなメモリーT細胞ができているはずだ、
————————
という理論に基づくものなのです。

それじゃ、いいかげんな推測じゃないか、と良識ある免疫学者に叱られそうですが、そうとも言えないデータがあります。

いささか古くなりますが、以下のような学会発表をご覧下さい。

*****———–*****————-*****——–
第6回がんワクチン療法研究会(2009.10.31、京都)

【一般演題5】
自家がんワクチン療法によって術後の再発抑止効果
が得られている症例の検討

串間美昭 (鶴田病院)

術後補助療法として、自家がんワクチン療法を施行
した以下の5例は、全例とも再発リスクの高い症例であ
ったが、全例ともDTH-2(*)反応陽性で、無再発であ
る。

症例0293 ステージⅡ胃癌の未分化癌の術後に自家
がんワクチンを投与。
症例0319 卵巣悪性奇形腫で漿膜浸潤の再発手術後
に自家がんワクチンを投与。
症例0368 卵巣悪性奇形腫術後の化学療法(TJ療法)
後に自家がんワクチンを投与。
症例0604 結腸がん、化学療法(FOLFOX)を行い肝
転移切除後にゼローダ3クールで中止し、
自家がんワクチンを投与。
症例0930 肝細胞癌術後に自家がんワクチンを投与。

追加のDTH-2テスト:

(自家がんワクチン投与から約2年以上経ってから追
加のDTH-2反応テストを行った。)

症例0293、症例0319、症例0368、症例0604では陽性
だった。症例0930は陰性で、4/5例(80%)で何等かの
効果が見られていると推測された。

——–↓——-
(注 *)

DTH-2とは、2回目の遅延型アレルギー反応テストを指す。
1回目は、自家がんワクチン投与「前」に、免疫刺激剤を含まないがん患者さん自身のホルマリン固定がん組織断片を注射してみて、何も特別な反応が起こらないことを確かめる。
2回目は、自家がんワクチン投与「後」に、免疫刺激剤を含まないがん患者さん自身のホルマリン固定がん組織の断片を注射してみて、皮膚に赤い反応が起こるのを観察するもの。
DTH-2反応陽性とは、この2回目で赤い紅斑が出現したことを指す。この紅斑が、細胞性免疫反応が体内で成立したという証拠になる。

*****———–*****————-*****——–

この発表からわかることは、自家がんワクチン療法後、少なくとも2年間は患者さんの体内に潜んでいて、追加のDTH-2反応テストで目覚めたメモリーT細胞がいることを示しています。

さらに、つい最近、自家がんワクチン投与後、5年半たっても、メモリーT細胞がいることを示す事例が報告されました。

弊社のホームページのうち、
https://cell-medicine.com/cases/shikyugan/
に掲載されている、

〔症例2329〕 (銀座並木通りクリニック)
子宮頸部小細胞がん

の場合です。この患者さんは(当初の抗がん剤治療は全く無効でしたが)、2015年3月に自家がんワクチン注射を受けられ、4月にDTH-2反応テストで陽性が確認されています。

(モノサシを当てた腕の紅斑の写真はこちらです ↓)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4929807/

(つまり、細胞性免疫反応について「アクセル・オン」の状態になっています。)

以後、免疫チェックポイント阻害剤キイトルーダにより、細胞性免疫反応のブレーキを外す「ブレーキ・オフ」治療を施行したところ、劇的な肝転移巣の縮小が見られました。

アクセル・オンブレーキ・オフ戦略が成功した第1号の患者さんです。

(↑ ここまで、子宮がんのページに掲載されています。)

その後も、再発を避けるため、少量のオプジーボ投与(3ヶ月に1回、40mg/body)を続けて来られました(オプジーボはキイトルーダと同じ作用がある免疫チェックポイント阻害剤です)。

2020年11月になって、患者さんから、
自家がんワクチンはまだ効いているのか?
との質問がありました。

また、ご本人の希望があり、弊社に免疫刺激剤を含まない患者さん自身のホルマリン固定がん組織断片が残っていたため、もう一度、追加のDTH-2反応テストを実施してみることになりました。

その結果、今回も、腕に非常に強い紅斑(40 x 40mm)が観察されました。症例2329-サカノキョウオコ-5.5年後のDTH-2反応3

もともとあった子宮頸部小細胞がんは、画像診断でも既に全て無くなっています(根治という状態です)。

その上、オプジーボには、無くなったがん細胞を殺そうとするメモリーT細胞を新たに作り出す作用はありませんから、今回のこの反応は、自家がんワクチンで体内に誘導されたメモリーT細胞が、5年半の間、生き残っていることを示しています。

ネズミの寿命は3年ほどですが、それをはるかに越える期間、ヒトではメモリーT細胞が長生きしているのです。

この点を演繹すれば、「自家がんワクチンはいつまで効くのか」という質問に対するお答えの、

理論的には一生の間のはずです

というのも、メモリーT細胞が生き残っている限り、あり得ることなのです。

References

1. AMEDプレスリリース:“免疫細胞を若返らせ、強い抗腫瘍効果をもつ細胞の作製に成功―がん免疫療
法における新たな細胞移入療法の開発―”、
平成29年5月22日
https://www.amed.go.jp/news/release_20170522.html

2. がん免疫療法では一旦効果がでれば、治療をやめても効果は続く
→当社のホームページの右上隅の「Google カスタム検索」欄から、
「2016.04.20 最新の学会から」
の記事を検索してご覧ください。

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既に、大学教授で、この連携方式により、ご担当の患者様の自家がんワクチン療法受診を実現されている先生方も何人もおられます。具体的な方法は弊社まで直接お問い合わせください。

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★“自家がんワクチン療法”は「厚労省への届け出は不要です」★

自家がんワクチンは生きている細胞を含まないため培養不要で、 再生医療等安全性確保法でいう
「細胞加工物」(人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの)に該当しないためです。

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