2月2日付の海外がん医療情報リファレンスによれば、
→ https://www.cancerit.jp/62062.html
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのノーベル賞受賞者のAllisonを含むSharmaのグループが、すい臓がんの間質組織に多いマクロファージが過剰発現している免疫チェックポイント分子VISTAのために、すい臓がんでは(抗PD-1や抗PD-L1の)免疫チェックポイント阻害剤が効きにくいのだ、と発表したとのことです(Ref. 1)。
これまでに、免疫チェックポイントでがん免疫反応のブレーキの役割をはたす分子としては、PD-1、CTLA-4、TIM-3、BTLA、LAG-3等が著名でしたが、ここに新たにVISTAが登場したわけです。
しかもこのVISTA、がん局所に集まってがん免疫反応を邪魔することが知られていたマクロファージに大量に発現していて、従来のようにがん細胞上やそれに直接対峙するキラー細胞上ではなく、リンパ節に多い抗原提示細胞上でもない、がん細胞の隣に位置する間質組織中にいるマクロファージ上だ、というのが新顔らしいところです。
なぜ、がん細胞の隣の間質組織中にいる細胞上に出ているVISTA分子が、がん細胞対キラーリンパ球の戦いを邪魔するのか、はなはだ興味のあるところです。
今後、この関係の論文が世界中から大量に出現することでしょう。
また、VISTAに限らず、多様な免疫チェックポイント分子が続々と発見され(特に、オプジーボやヤーボイが効かないがん種で)、それらに対する抗体医薬品が猛烈なスピードで開発されていくものと思われます。
ただ、よく考えてみると、これら免疫チェックポイント阻害剤となるものは、すべてがん免疫反応のブレーキをはずす作用をするものです。
一方ではやはり、がん免疫反応のアクセルを踏む作用をするものがなければ、がん免疫サイクル(Ref.2)は高速では廻らず、がん細胞殺傷効果も限定的になってしまいます。
ここでこそ、がん免疫反応の強力なアクセルとなる「自家がんワクチン」が役に立ちます。すなわち、「アクセル・オン/ブレーキ・オフ戦略」が有効なのです。
その実例は、こちらのページでご覧ください。
→
https://cell-medicine.com/topics/431/
Reference
1. Jorge Blando, Anu Sharma, Maria Gisela Higa, Hao Zhao, Luis Vence, Shalini S. Yadav, Jiseong Kim, Alejandro M. Sepulveda, Michael Sharp, Anirban Maitra, Jennifer Wargo, Michael Tetzlaff, Russell Broaddus, Matthew H. G. Katz, Gauri R. Varadhachary, Michael Overman, Huamin Wang, Cassian Yee, Chantale Bernatchez, Christine Iacobuzio-Donahue, Sreyashi Basu, James P. Allison, and Padmanee Sharma.
Comparison of immune infiltrates in melanoma and pancreatic cancer highlights VISTA as a potential target in pancreatic cancer.
Proc Natl Acad Sci, USA, January 29, 2019 116 (5) 1692-1697; published ahead of print January 29, 2019 https://doi.org/10.1073/pnas.1811067116
2. がん免疫サイクルの動画
https://www.immunooncology.jp/medical/cycle/
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「混合診療禁止」政策により、保険診療機関である大病院では「自家がんワクチン療法」が実施できなくても、先生ご自身の患者様に対して、お近くの連携クリニックにてごく簡単に、自由診療にて実施できます。
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★“自家がんワクチン療法”は「厚労省への届け出は不要です」★
自家がんワクチンは生きている細胞を含まないため培養不要です。また、組織を再生させるものではなく再生医療等安全性確保法でいう「再生医療製品」に該当しないためです。
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