本日(2019.08.19)の日経バイオテク・オンラインニュースによれば、
(→ https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/19/08/15/05908/?_cid=nbpbto_mled_frd )
がんのウイルス療法(腫瘍溶解性ウイルス)を開発しているフランスTransgene社は、2019年8月2日、ウイルス療法であるPexa-Vec(JX-594)の肝臓がんに対するフェーズIII(PHOCUS試験)の中止勧告を受けた、とのことです。
がんのウイルス療法とは、感染させるとがん細胞だけで増え、結果的にがん細胞を破壊するウイルスを遺伝子組み換え技術などで人工的に作り、一般的な抗がん剤の代わりに投与するという方法です。
うまくいけば、正常細胞には全く作用せず、がん細胞だけを溶解できますので、1990年代後半~2000年頃の開発初期には「夢の治療法」として期待されていました。
確かに、悪性黒色腫(メラノーマ)に対し、
「FDAが腫瘍溶解性ウイルス療法薬を初めて承認」(2015.10.29)
→ https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/201510/544402.html
また、
「脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認」(2019.02.13)
→ https://www.amed.go.jp/news/release_20190213.html
という事例が発表されていて、他の固形がんでも効くはずだとの期待は高まっておりました。
しかし、肝臓がんではまだまだ難しいようです。
一般的な解説は、こちらをご覧ください。
→ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%AB%E7%98%8D%E6%BA%B6%E8%A7%A3%E6%80%A7%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
ここには、「2014年7月時点で、少なくとも12種類のウイルスで臨床試験が実施されている」と記載されていて、冒頭のPexa-Vec(JX-594)もあります。
本邦では、オンコリスバイオファーマ(株)が2002年以来、テロメライシン(OBP-301)を開発、肝臓がんに対しても治験中ですが、未だ、治験初期のフェーズIの段階で、市販までの見通しが立っていません。体内で、ウイルスに対する抗体が簡単に産生されてしまい、ウイルスを不活化するのが主因と議論されていますが、その他の原因は不明のままが多いのが実情です。
また、一方で、ウイルス療法には、1回の投与に何千万円もかかる、
「がん溶解ウイルス療法のすごいコスト」
→
https://cell-medicine.com/topics/がん溶解ウイルス療法のすごいコスト
という、「経済毒性」にかかわる大きな問題点があります。
それに引きかえ、弊社の肝臓がんに対する
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では、
手術後で一たん治ったように見えても極めて再発しやすい肝臓がんで、術後再発を明瞭に抑制します。また明瞭な延命効果もあります。
→ https://cell-medicine.com/cases/results-liver-cancer-final.php
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