がんの手術を受けると、病院では必ず、取り出したがんの塊(=がん組織)をホルマリン漬けにしてがん組織が腐らないように、その形がくずれないように固めてから(このとき、がん細胞はすべて殺されます)、パラフィン(ろうそくの蝋のことです)に埋め込んで、極く薄い切片に切り出し、種々の色素で染めてから顕微鏡で観察して、どんながん細胞がいるかという病理診断を行います。
自家がんワクチンは、この病理診断で余ったがんの塊を原材料にして作製します。
以下に、自家がんワクチンの作用の仕方(作用メカニズム)について、
言い方をかえれば、
なぜ、
「自家がんワクチンは固形がんの種類を問わずに使えるか」
について、解説して参りましょう。
この解説はシリーズになっています。今回が「その1」です。
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1)がんワクチンの作用は、抗原提示細胞とキラーT細胞の働きによります
自家がんワクチンに含まれているがんの塊を細かく砕いた断片は、体内に戻すと、断片を食べてしまう細胞に取り込まれ、消化されていきます。
断片を食べてしまう細胞には、がんの免疫療法で重要な働きをする細胞がいます。
その代表例が樹状細胞といわれるもので、外敵から身体を守る皮膚の中に沢山います。
樹状細胞が断片を食べると、細胞性免疫反応のスイッチが入り、がんを殺すための一連の作用が始まります。
以下の①~⑤が、樹状細胞と、がん細胞を殺すキラー役のリンパ球が働いてがん細胞を殺す、「細胞性免疫反応」の一連の流れです。
ここで働くリンパ球は、T細胞という種類ですので、しばしば、キラーT細胞と呼ばれます。
① 樹状細胞は、自分の身体にはない異物(例えば、皮膚の傷から侵入してきたばい菌や、体内にできた異常な細胞の断片など)を食べて消化します。
消化したとき、「こんな変なヤツがいるぞ」という“印”を細胞表面に出して、周りにいるリンパ球に教えます。このときに教えを受け取る役割をするのが、CD4という種類のリンパ球です。
② 樹状細胞の表面に出ている“印”を、じっと保持するタンパクがあります。丁度、お店の看板の役割をするタンパクです。
(表面に出ている“印”は、実は何種類もある看板タンパクのうち、IIというグループの上に表示されますので、仮に「印-2」としましょう)
これは、看板の表面に書かれた“文字”にあたり、実態は「ペプチド」といわれるものです。
③ これに対して情報の受け取り役のリンパ球(CD4)側の細胞表面には、“文字”を認識するタンパクがあります。お店の看板に書かれた文字を読み取る眼のようなものですね。T細胞受容体といいます。
T細胞受容体が“文字”を認識すると、近所の別のリンパ球(こんどはCD8という種類です)を刺激して増やす作用をするリンフォカインという物質を放出します。
実はCD8リンパ球が最も強力ながん細胞の殺し屋キラーT細胞です。別に「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)」という名前がついてます。
④ 一方、がん細胞の表面には、やはりお店の看板の役割をする看板タンパク(別のグループIです)があって、その上に、これが自分だという“文字”(仮に「印-1」としましょう)を出しています。
こちらもペプチドの一種ですが看板タンパク-II上にある印-2とは違う種類です。
⑤ そして,キラーT細胞(CD8)が、その細胞表面のT細胞受容体(眼にあたります)で印-1を認識したとき、普段は体内にはない印-1
(すなわち、がん細胞だけが持つ“文字”で「がん抗原ペプチド」といいます)
の場合は、相手方のがん細胞を攻撃して殺してしまいます。
殺しの道具が、パーフォリンという細胞膜に穴開け作用をするタンパクや、グランザイムという強力な破壊作用をするタンパクです。
このような①から⑤の働きが、がん免疫反応における作用メカニズム、すなわち、樹状細胞とキラーT細胞が働いてがん細胞を殺す「細胞性免疫反応」の主な作用です。
他方で、リンパ球のうちでもナチュラルキラー細胞といわれる種類は、看板タンパク-I、看板タンパク-IIや、印-1、印-2がなくても、“自然に”本来の正常細胞とは異なるがん細胞を見分けて殺します。
“自然に”と言われても、どうして、と問われると実はたいへん難しく、よくわかっていないところが多いのです。
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そこで、このシリーズの続きでは、ヒトのがん細胞を殺す「細胞性免疫反応」の主役であることがわかっている樹状細胞とキラーT細胞の働き方について解説を続けることにしましょう。
それでは、次回をお楽しみに!!
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