この解説はシリーズになっています。今回は「その4」です。
「その1」は2020.02.03に、「その2」は2020.02.10に、「その3」は2020.02.17に発信されています。また、
それらの内容はトピックスとして、弊社のホームページのトップページ
. https://cell-medicine.com/
の真ん中あたりの左側に、
2020.02.03 自家がんワクチンは固形がんの種類を問わずに使えます ~その1~
から順に、緑色の文字ボタン形式で表示されていますから、クリックしてみて下さい。
以下は、その3の続きです。
さて、「その3」で述べたキーポイントは、
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. 看板も、その上の文字も、それらの組み合わせも、天文学的な膨大な種類があるとしても、ですよ、
. 看板を見てお店に入って買い物をするという行為自体に注目すればいいのです。
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でした。
実は、このパターンは、看板も、その上の文字も、それらの組み合わせも、天文学的な膨大な種類
がある としても、『買い物をするという行為自体』は皆同じ ですから、
. この『買い物行為』
を、キラーT細胞から見たときの
「体内の変なヤツ」、
(がんの場合は、体内のテキそのものですよね)
つまり、「体内のテキ」に対して適用することにすればいいはずです。
. すなわち、
. 『体内のテキを見つけて、べったりくっついて、殺すという行為』
に置き換えれば、テキがどんな種類であろうが、いつも同じパターンで殺すことになります。
. 言い換えれば、相手のがんの種類がなんであろうと、同じ勝ちパターンに持ち込めばよい、という わけです。
. そのためにはどうするか、が研究開発者の腕の見せ所です。 ************************************************
ただし、ここで、たいへん重要なことを申し上げておかなければなりません。
. がん細胞が表面に出している
. 「看板タンパク」と、
. キラーT細胞がその表面に出している「文字を読み取る眼のようなタンパク」(T細胞受容体)
の相性がピッタリ合わないと、「キラーT細胞ががん細胞を殺さない」 のです。
そして、相性がピッタリ合うのは、ごく簡単にまとめて言えば、 「看板タンパク」と(T細胞受容体)が相補的になる場合だけです。
. ★小難しい言い方をする必要はありませんネ、何のことはない、遺伝子が共通の同じ個人の体内
. の細胞どうしだけ、といえばわかりやすいでしょう、
. (科学的に多少不正確なところがあっても、ここでは眼をつぶっていただけませんか、
. 遺伝子が違う他人の細胞はお互いにキライなのです)
看板タンパクとT細胞受容体の関係は、この解説シリーズ「その1」の①から⑤までの項を見なおしてみて下さい。
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それでも、実は、ある患者さんが持っている看板全体としては、一人一人異なっている膨大な種類があるとしても、看板の一部の小さな部分に注目すれば同じところがあります。
言い換えれば、パーツが同じで全体が異なる看板があるということです。ヒトの遺伝子で、この看板を作る遺伝子でも、パーツが同じものがあります。
日本人なら、HLA-A2402という遺伝子パーツが多い(約60%の方が持っている)ことが知られています。
そこで、できる限り多くの患者さんがもっている共通看板パーツに載る“共通文字”(ペプチド)を目印 にすることにして、
. そして、“共通文字”が“我こそは癌なり”という印(がん抗原ペプチド)なら、
「これが変なヤツだ」と、キラーT細胞に教えることが容易になります。
それで、“我こそは癌なりペプチド”を合成法で大量に作っておいて体内に注射し、共通看板パーツを持
っているがん細胞の共通看板パーツ部分をこの
“共通文字”=“我こそは癌なりペプチド”
で覆ってしまえば、そこら中が「変なヤツ」だらけになりますので、キラーT細胞は興奮してどんどんがん細胞を殺すはずだ、
という考え方によって、がん治療を行おうとしたのが
「がんペプチドワクチン」
です。
しかし、この方法は、がん治療でうまく行っているのでしょうか?
また、樹状細胞という、免疫反応で非常に重要な働きをする(反応進行のキーポイントを司るため、司令
塔役だと言われます)細胞が体内にいて、共通看板パーツをたくさん持っている細胞がいます。
この細胞を使うことで、世の中に名前が知られるようになった「樹状細胞ワクチン」でも、体の外で樹状細胞に、
“我こそは癌なりペプチド”を載せて、体内に戻してキラーT細胞を興奮させ、がん細胞を殺させてがん治療をしようとする方法がありますが、合成した“我こそは癌なりペプチド”を使う点からすれば、「がんペプチドワクチン」と本質的に変わりありません。
直接がんペプチドを注射するか、樹状細胞に載せて注射するかだけの違いだからです。
この方法も、がん治療でうまく行っているのでしょうか?
いずれにしても、弊社の「自家がんワクチン」では、このような開発方針は採用していません。
何故か、ですって?
それは、次回にお知らせしましょう。
お楽しみに!!
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