免疫チェックポイント阻害薬には長期的な副作用があります 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

免疫チェックポイント阻害薬には長期的な副作用があります

他のがん免疫療法について 

2021年5月26日に着信した、
「海外癌医療情報リファレンス・ダイジェスト」(ホームページは → https://www.cancerit.jp/ )
に、注目すべき情報が掲載されています。

このニュースは、5月27日にそのホームページに掲載されたニュース、
「FDAが切除後の食道がん、胃食道接合部がんに二ボルマブを承認」
と合わせてお読みになることをお勧めします。

5月26日の注目すべき情報のタイトルは、
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◆免疫チェックポイント阻害薬の長期的な副作用が研究で明らかに

[米国国立がん研究所(NCI)ブログ~がん研究の動向~ 2021年5月15日]
—————
です。

免疫チェックポイント阻害薬の代表例がニボルマブ(商品名:オプジーボ)ですが、この薬を投与すると間もなく出る副作用があります。

「有害事象」として報告されているもので、体内のT細胞が活性化したとき、過度の免疫反応を起こすことがあるためです。

疲労、発疹、筋骨格痛、そう痒、下痢、悪心、筋無力症、咳、呼吸困難、便秘、食欲減退、背部痛、関節痛、上気道感染、発熱、頭痛、腹痛、嘔吐

があります。特に重症化して危険なのは間質性肺炎や、重症筋無力症、等が知られています。

これらの急性の副作用は、体内の炎症反応を抑えるステロイド剤等でコントロール可能です。

しかし、長期的あるいは慢性の副作用についてはこれまであまり注目されていませんでした。

(詳細はこちらです ↓)
https://www.cancerit.jp/69091.html

進行悪性黒色腫患者387人の診療記録から患者167人(43%)が免疫チェックポイント阻害薬の投与終了から3カ月間以上持続する免疫関連副作用を経験したそうです。

長期的な副作用の大半は軽度のもので(96%)でしたが、
「患者の日常生活に多少の支障をきたし、治療を必要とすることがあった。主な慢性症状は、皮疹、甲状腺機能低下症、および関節痛であった。」
といいますから、日常生活に不便さを感じる意外さがあります。

弊社の自家がんワクチン療法でも(重症の副作用が出たという報告はこれまで受けたことはありませんが)、軽度の副作用としては、
一過性の発熱、注射ヶ所の腫脹、疲労、そう痒
等があります。

しかし、いずれも、3カ月間以上持続したとの報告はありません。免疫チェックポイント阻害薬より、ずっと副作用は軽いものだといえるでしょう。

専門的な論文では、いずれもグレード1ないし2まで(放置すれば自然治癒する範囲)と記載されています(Ref.1)。

Reference

1. Ishikawa E, et al.,
Phase I/IIa trial of fractionated radiotherapy, temozolomide, and autologous formalin-fixed tumor vaccine for newly diagnosed glioblastoma.
J Neurosurg. 2014 Sep;121(3):543-53.


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