日本を含め、東南アジア諸国では、肝炎ウイルス感染歴を契機とした肝細胞がんが多発していることが知られています。
肝臓では薬物代謝が盛んなため、旧来の低分子抗がん剤が作用せず、現在でも、手術・放射線治療・ラジオ波焼灼法等の物理的治療法が主体です。
物理的治療法で対処できない場合は、分子標的薬が使用されますが、その代表例であるソラフェニブでも副作用がきついうえ、赫々たる治療効果があるというものではありません。
特に、進行してしまい大きながんの塊が残っている肝細胞がんでは治療に難渋します。
そこで、がん免疫療法が期待されており、免疫チェックポイント阻害剤が希望の星でした。
しかし、この12月13日に発表された論文(Ref. 1)は愕然とさせるものでした。
ニボルマブ(オプジーボ)単剤治療とソラフェニブ治療の効果を、第III相試験(371例vs372例)で比較したですが、全生存期間中央値(mOS)は、16.4ヶ月対14.7ヶ月で統計学的な有意差はありませんでした。
一方、弊社の自家がんワクチンによる肝細胞がん治療では、手術後の明瞭な再発抑制効果があることと、mOSが明瞭に延びる延命効果があること(p=0.01)がランダム化第II相後期試験で証明されています。
→ こちらのページの図3をご覧ください。
ただしこの試験では、手術後まもなく自家がんワクチンを投与していますから、体内の肝細胞がんは画像では見えない程しか残っていません。
やはり、強力ながん免疫療法であっても、大きながん塊を治療できるほどのパワーは期待できず、極力早期に(がん塊が見えるか見えないかという程の小さいうちに)治療する必要があると考えられます。
つまり、
「体内の敵(がん細胞)の数が少ないうち程、味方(がんを殺すキラー細胞)が勝てる」
というわけです。
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本年もセルメディシンニュースをお読みいただき、
誠に有難うございました。読者の皆様には、どうか良
いお年をお迎えくださいますように。
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Reference
1.Yau T, et al. Nivolmab versus sorafenib in advanced hepatocellular carcinoma (CheckMate 459): a randomized, multicentre, open-label, phase 3 trial. Lancet Oncol December 13, 2021
https://doi.org/10.1016/S1470-2045(21)00604-5
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