先週7月27日の日経バイオテクで、
「京大など、乳がんの起源となる遺伝子変異が思春期前後で生じていたと解明」
とのニュースが流されました。
その原著論文(Ref. 1)を見ましたところ、進化論でいう、どのような生物種が何時頃発生したのかを推定する方法と同じ原理が、乳がんの発生時期解明に応用されていました。
生物が生きている間、食物による体内の化学反応や体外からの放射線など、さまざまな原因で遺伝子変異が蓄積していきますが、その中で環境にうまく適応した個体が生き残ります。
これが繰り返されていくと「進化」した生物種が誕生することになります。そして生きている限り、更に遺伝子変異が蓄積していく過程をたどります。
この逆に、遺伝子変異の蓄積具合を遡及していくと、何時頃、その種が誕生したのかが推測できます。
サルとヒトが共通祖先から進化したのは数百万年前だとは、なにも決め手となる化石がなくても、両者の遺伝子を丁寧に調べて行けばわかるのです。
この原理を用い、がん化のドライバーとなっている遺伝子が乗っている染色体転座der(1;16)がある乳がんで、乳がん細胞の遺伝子を解析し、いつ頃乳がんのタネができたかを推定すると、
なんと、思春期だと判明しました。
論文では、early puberty to late adolescenceと記載されていますので、おおよそのピークが14歳頃から16歳頃と考えられます。
30歳前後までには、その後乳がんを発症することになる複数の起源の細胞が生じているとのことです(Ref. 2)。
つまり、臨床的に乳がんだと診断されるまで、実際には何十年もかかっているわけです。
これほど早期に乳がんのタネが発生しているなら、成人女性のほとんどの方が、乳がんの素を抱えていると考えられます。
乳がんの治療法開発も大切ですが、それ以上に、乳がんのタネが乳がん細胞にならないようにする予防法の開発が大切です。
そして、もし一旦、乳がんとの診断がでたならば、乳がんの再発・転移を極力抑え込む必要があります。そのためには、ぜひ、弊社の自家がんワクチン療法を、前向きにご検討下さい。初発乳がん手術後の再発予防が得意です。
References
1. Nishimura T, et al.
Evolutionary histories of breast cancer and related clones.
Nature, published online: 26 July 2023.
https://doi.org/10.1038/s41586-023-06333-9
2.東京医科歯科大学プレスリリース
乳がん発生の進化の歴史を解明 ― ゲノム解析による発がんメカニズムの探索 ―
https://www.tmd.ac.jp/press-release/20230727-1/
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