「ライフライン21 がんの先進医療」(蕗書房)は、一般向けに、科学的な根拠に基づいたがん治療の最新情報を提供している雑誌で、がん患者やその家族、医療従事者にとって非常に有益な情報源となっています。
この雑誌で取り上げる話題は、
・最新のがん治療法:免疫療法やゲノム研究など、先端医療の紹介。
・専門家の解説:専門医による治療法や研究の解説。
・患者の体験談:がん患者やその家族の体験談。
・治療の選択肢:標準治療から先進医療まで、さまざまな治療法の紹介。
などです。
先月7月30日にvol.54が発行されましたが、そこに弊社から、
「自家がんワクチンの臨床開発 -自由診療からの出発-」
と題する特別寄稿を発表しました。
その内容を現すサブタイトルは、
・がん免疫療法開発のハードル
・がん治療用医薬品の開発コストの壁
・自由診療ならば
・自家がんワクチンの安全性
・自家がんワクチンの有効性
・自由診療で遭遇した希少がんで有効となった例
となっています。
特に、自由診療受診例で、子宮内膜がんで肺に9ヶ所もの多発転移がありながら、抗がん剤による標準治療も免疫チェックポイント阻害剤も断固拒否、自家がんワクチン“単独”治療で明瞭な効果が認められたMSI-high型の症例が紹介されています(Ref. 1)。
このタイプのがんでは、免疫チェックポイント阻害剤ペンブロリズマブが欧米や本邦で承認されています。しかもMSI-high型ならばがん種を問わず使えます。
ということは、この症例からわかるように、自家がんワクチンでも、MSI-high型ならばがん種を問わず適応となると予想されます。
なお、稀ではあれ、免疫チェックポイント阻害剤には、死亡例が発生するなどの強い副作用(有害事象でいうグレード5)があることが知られています。
しかし、自家がんワクチン療法の受診者には、すでに累積4000例を越えていますが、これほど強い副作用があったとの報告は1件もありません。
したがって、MSI-high型のがんを標的とした正規の治験実施が可能であること、自由診療で遭遇した希少がんを対象にすれば、新薬の臨床開発の可能性が開けることを示唆していることがわかります。
これこそが自由診療の良さなのです。
どうか、この特別寄稿をご一読いただければたいへん有難く存じます。
一般書店でこの雑誌を購入される機会もあるでしょうが、弊社に直接メールにてお申し越しいただければ、無料で著者稿をpdf版にてお送り申し上げます。
こちらからご遠慮なくどうぞ
⇒ https://cell-medicine.com/contact/
(お問い合わせ内容に、
「自家がんワクチンの臨床開発 -自由診療からの出発-」
と、お忘れなく書き込み願います。)
Reference
- Fukuda K, Ohno T.
Successful monotherapy with autologous formalin-fixed tumor vaccine for a Stage IV uterine cancer patient who rejected rational chemotherapy and immune checkpoint inhibitor treatment.
Clinical Case Reports 2023;11:e7513. https://doi.org/10.1002/ccr3.7513