免疫チェックポイント阻害剤を単独では使えない場合があるという弊害 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

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免疫チェックポイント阻害剤を単独では使えない場合があるという弊害

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 今夏は例年以上の猛暑が続いていますが、弊社に先週あった患者様からの以下の問合せが、猛暑のせいではないことを筆者は祈念しています。

 ご高齢の女性で、進行がんのため今や寝たきりとなっており、骨転移巣が痛むので困っている方でした。

 ご家族に医療関係者がいるため、様々な保険診療を組み合わせて容易に受けられる立場の方で、複数回にわたる手術はもちろん、高度の放射線治療も優先的に受けられてきていますが、それでも、がん進行により体力を失ってきたとのことでした。

 急速に弱って来ている状況から、ご家族としては、副作用が厳しいわりには効果があまり期待できない化学療法を避け、免疫チェックポイント阻害剤キイトルーダを使いたいとのご希望でした。

 ところが、現在の保険診療では、患者様の場合は、先に先ず化学療法を受け、無効であることを確認した後でなければ、キイトルーダの使用はまかりならぬ、とのことで、どうすれば良いかとのご相談でした。

 弊社は自由診療による自家がんワクチン療法を推進しているため、保険診療のなかの治療法に関する直接的な助言は憚られます。

 しかし、それにしても、医療関係者であるご家族が「これは母には効かない」ということを知り尽くしているにもかかわらず、化学療法を先に施行しなければならないとは、あまりにも硬直的な治療法を強制することになっているのではないでしょうか。

 これはまさしく、本邦における現在の標準治療の弊害です。

 欧米では、既に様々ながん種に対して、 免疫チェックポイント阻害剤をファーストラインで使ってよい(化学療法を先に実施しなくてもよい)という認可がどんどん出ています。

 本邦でも、標準治療にこだわらず、より一層柔軟な保険薬の使用法を認めるべきではないか、と、保険診療と競合する自由診療を推進している身ながら、考えた次第です。

注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。

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