丸山ワクチンと自家がんワクチンの併用は問題なく可能です 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

丸山ワクチンと自家がんワクチンの併用は問題なく可能です

他のがん免疫療法について 

 先月の末に、弊社の「自家がんワクチン」について、あるがん患者様から、

「自由診療で、丸山ワクチンや光免疫療法などありますが、それらと併用することも可能でしょうか?」

というご質問をいただきました。

 お答えは、標題のように問題なく可能です。

(1)自家がんワクチンは、

 外科手術後に病院内で必ず作製される患者様自身のがん組織を、ホルマリン漬けとしパラフィン(ろうそくの蝋)に埋め込みブロック状にしたもの(病院では必ず保存されています)を原材料にして、免疫刺激剤を加えた注射剤に加工し、患者様自身に注射するものです。

 この方法の特徴は、原材料に含まれるその患者様のがん細胞特有のがん抗原を利用することにあります。

 がん抗原をたよりに、患者様の体内で、がん細胞を殺せるキラーリンパ球を増やし、がん治療に使います。副作用は極めて軽く、問題になるものはありません。
 ただし、その患者様の残存がん細胞を狙い撃ちにする方式ですので、その患者様だけにしか有効性が期待できません。

(2)丸山ワクチンは、

 結核菌の抽出成分です(結核菌そのものではありません)。一般的に、細胞性免疫反応を担う白血球を刺激し増やします。大きな副作用は見られません。

 そのため、誰にでも作用すると期待できますが、その患者様特有の免疫反応を起こすわけではなく、丁度、一般的にがん免疫反応の底上げをするというイメージになります。

 がんに対する放射線治療の際に生じる白血球減少症に対する治療薬「アンサー」(健康保険で使えます)は、実は、成分が丸山ワクチンと同じで、濃さが違うだけのものです。生理食塩液で薄めれば、丸山ワクチンと同じように使えます。

(3)光免疫療法は、

 特定の波長の光を浴びると毒性を現すように変化する化学物質を化学的に結合させた抗体を利用します。この抗体はがん細胞だけに結合します。

 あらかじめこの抗体を注射しておいて、抗体ががん細胞に結合した頃合いを見計らって、特定の波長の光を照射、発生した毒性物質で、抗体が結合しているがん細胞を殺すようにする方法です。

 体内では、特定の波長の光が届くところ(体表面からや、口腔、腸管から等)にがんがある場合にしか使えません。

 健康保険が使えますが、現在は「切除不能の再発頭頸部がん」だけが対象になっています。その他のがん種ではまだ保険が使えません。

(他に、国家承認されている「光線力学療法」というものがあります。
  光免疫療法とは違うものです。混同している週刊誌報道までありますので要注意です。)

(4)光線力学療法は、

 がん細胞だけに結合する抗体を利用しません。

 特定の波長の光を浴びると毒性を現すように変化する光感受性物質(全身をめぐりがん細胞に集積します)をあらかじめ注射しておいてから、特定の波長のレーザー光線をがんの部位に照射、発生した毒性物質が分布している直近のがん細胞を殺すようにする方法です。

 この方法は、抗体を使いませんので、より安価に治療が行えます。しかも保険診療でできます。

 ただし、光感受性物質に日光があたると、できた毒性物質が無用の副作用を現しますので、治療が終わるまで薄暗い部屋で生活しなければなりません。

 上記の(1)~(4)の特徴をよくご理解の上、うまく併用して、患者様のがん治療にお役立てください。

 特に(1)自家がんワクチンと(2)丸山ワクチンは、安心して併用できます。

注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。

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