&&――――――【キーポイント】――――――&&
頻回再発を起こしていた尿管がんで、自家がんワクチンで再発を
ピタリと抑えられた患者さんがいます。
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尿管は、腎臓でできた尿を膀胱まで流している細い管ですが、ここに尿中の結石が詰まると、七転八倒の痛みを発します(筆者も経験しました)。
運よく結石が膀胱まで流れ下ってくれれば、トタンに痛みが消失します。まるでウソのように、です。
しかしもし、尿管にがんができたら、がんはどんどん大きくなりますから、結石の痛みという生易しいものでは済まないことは容易に想像できますよね。
以下の患者さんは、尿管がんが運よく膀胱に流れ下って、そこに住み着き、膀胱でがん再発を繰り返した方です。
尿管では、直接にがんを目で見ることはできませんが、膀胱なら、膀胱鏡(内視鏡)で見ることができます。がんが小さければ切除も可能です。
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【症例2752】
69歳、男性。2013年1月、軽度異型を示す尿路上皮が乳頭状に増殖、間質浸潤なし。
2012年12月 膀胱腫瘍摘出術施行
2013年 5月(154日後) 再発膀胱腫瘍摘出術施行
2013年 9月(119日後) 再発膀胱腫瘍摘出術施行
2014年 1月(127日後) 再発膀胱腫瘍摘出術施行
2014年 6月(150日後) 再発膀胱腫瘍摘出術施行
2014年11月(157日後) 再発膀胱腫瘍摘出術施行
2015年 5月(169日後) 多発性膀胱内再発腫瘍摘出術施行
2015年11月(157日後) 再発膀胱腫瘍摘出術施行
2016年 8月(157日後) 後腹膜補助下腎尿管全摘術(腎臓と尿管を全て摘出する手術)施行
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2017年 3月 自家がんワクチン接種、高濃度VC併用、その後プラセンタも使用
2019年11月(ワクチン接種より953日後) 存命確認
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この症例では、半年たたずに再発、それを8回も繰りかえしていたため、尿管がん細胞が膀胱に住み着いていたと考えられます。
最終的に膀胱上部の腎尿管を全摘したとはいえ、これだけの頻回再発があった尿管がんが、自家がんワクチン接種後にピタリと膀胱で再発しなくなったのは、やはり自家がんワクチンの効果があったためと考えられます。
なお、腎尿管を全摘した手術後、膀胱内での再発を防ぐために、細胞障害性抗がん剤を膀胱の中に注入する「膀胱内注入療法」という治療を行うことがありましたが、2024年1月現在では保険適用外となっていますから、このような化学療法は効かなかったということでしょう。
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