&&――――――【キーポイント】――――――&&
大腸がんで術後の標準治療後に再発したらどうされますか?“イムラジ”で治療成功の方がいますよ!
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大腸がんの治療法は、簡潔にいえば、なんといっても手術です。
大腸というチューブ状の中にできたがんですから、がん本体のあるチューブ部分を、前と後でバッサリ切ってとり除き、正常なチューブ部分を繋いでしまえば良いからです。
しかし、問題は、がんがチューブ内からチューブの外にまで顔を出し、大腸の外に広がったときです。この状態は、がんが元の場所から遠くに転移しているため、「ステージIV」といわれます。
実際には、大腸の外に広がってしまうと、リンパ節、肝臓、肺、腹膜等に転移巣がボコボコ出現しますので、強力な抗がん剤治療(や、放射線治療が適応となるならそれを併用します)に頼らざるを得なくなってしまいます。
それを避けるため、現在では、大腸がんの手術後の病理診断で、手術で「完全に取り切れたとは言えない」場合には、再発予防のためにあえて強力な細胞障害性抗がん剤治療を行う「補助化学療法」(術後の延長戦ですね)が推奨されています。
しかし、強力な抗がん剤は毒性も強いため、繰返し治療に使うと、正常な細胞(特に骨髄にある白血球の基となる細胞)を痛めつけ、白血球を激減させてしまいます。
白血球が激減すると、感染症にかかりやすくなります。一旦病原菌が体内に入り込むと、体内で爆発的に増え、高熱を発して危険な状態になります。
また、強い副作用のある細胞障害性抗がん剤ではなく、分子標的薬を使用する場合もありますが、これもかなりの強い副作用があり、注意が必要です。
さらに例外的に、大腸がんがMSI-highというタイプの場合は、免疫チェックポイント阻害剤を使うことがあります。ただし、これでは運が悪ければ死にいたる副作用が発生することがあります。
この他にも大腸がんの治療方法は、がんの状態により細かく分かれています。
国立がん研究センターが提供している「がん情報」サイトのうち、大腸がんのページ、
https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/print.html
がとても参考になりますので、ご覧下さい。
しかし、このページの5項には、
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5.免疫療法
免疫療法は、免疫の力を利用してがんを攻撃する治療法です。2022年10月現在、大腸がんの治療に効果があると証明されている方法は、MSI-Highの場合に免疫チェックポイント阻害薬を使用する治療法のみです。
免疫チェックポイント阻害薬を使用する方法は、薬物療法の1つでもあります。免疫チェックポイント阻害薬を使用する治療法に関する情報は、関連情報「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 治療 4.薬物療法」をご覧ください。
なお、その他の免疫療法で、大腸がんに対して効果が証明されたものはありません。
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とあります。
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では、以下のような患者様の治療経過はいかがでしょうか?
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〔症例0994〕
67歳、男性、大腸がんを64歳の時に手術、ステージIV、腹壁転移、腹水あり、傍大動脈リンパ節11ヶ所に転移ありの状態だった。手術は姑息的手術(全部は取れない)で、以後、テガフール/ウラシル療法8コース、アバスチン併用FOLFOX4療法13コースを受けたにもかかわらずがん部が増大、さらに2008年5月よりカペシタビンで12コースも治療したが肺転移巣が出現、強烈な化学療法を続けるも脳梗塞を発症、化学療法をあきらめた方である。
2009年8月より自家がんワクチン療法1コース目(イムノテラピィ)、転移リンパ節への放射線治療(ラジオテラピイ)、その後、自家がんワクチン療法2コース目を施行したところ、(イムノテラピィとラジオテラピィを合わせて“イムラジ”になっている)、腫瘍マーカーが徐々に減衰、傍大動脈リンパ節転移巣が消失した。
しかも放射線照射をしていない肺転移巣までも消失(アブスコパル効果といいます)、5年以上無再発状態が続いている。
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(注)大腸がんでこれだけ多発転移があると、まして腹壁転移まであると、「手術はできません」となり「化学療法」だけとなることがほとんどですが、この方は幸いなことに姑息的手術を受けられました。そのため“イムラジ”が施行可能となり、治療成功となっています。
なお、自家がんワクチン療法はがん免疫療法の一種で、放射線治療と併用すれば相乗効果があることがわかっている治療法です。しかも、放射線治療だけでは、ステージIVの大腸がん多発転移巣をすべて消失させることはできません。
この方については、2017年9月に国際誌に学術論文が出ています(Ref. 1)。
↓
https://link.springer.com/epdf/10.1186/s12957-017-1245-x?author_access_token=uG4hIrcnMMae5LgX19bim2_BpE1tBhCbnbw3BuzI2RNjlAHzAZ_xfTX3hcUI-0Mi7CeqY2b2tRqx8Ou2MuQh8U10LZsRzy8tZj9sxB6sbloc0M5RvDUlawP4J44yLkaxGOz054KNcSRBifm02urzLw%3D%3D
ということは、この論文を事前に審査した大腸がんの専門家も、自家がんワクチンと放射線治療の併用効果があったと認めていることを意味しています。
☆ 読者の皆様、本年もセルメディシンニュースをご愛読いただきまして誠に有難うございました。
来年も継続して発信して参ります。
どうか良いお年をお迎えください。
(セルメディシン株式会社 社員一同)
Reference
1. Imaoka Y, Kuranishi F, Miyazaki T, Yasuda H, Ohno T.
Long-lasting complete response status of advanced stage IV gall bladder cancer and colon cancer
after combined treatment including autologous formalin-fixed tumor vaccine: two case reports.
World J Surg Oncol 2017;15:170. DOI:10.1186/s12957-017-1245-x
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