前回のセルメディシンニュースで予告しましたように、
「がん免疫療法+放射線治療」
というがんの併用療法により、放射線治療だけでは滅多に起こることがない、放射線が当たっていないところにあるがん塊まで縮小し治ってしまうという、不思議な現象、
「アブスコパル効果」
が、またまた、 銀座並木通りクリニックの症例で観察された!? ようです。
今度は、卵巣がんです。「銀座並木通りクリニック」の院長ブログをご覧ください。
(2本目はこちら・・②卵巣がん、CT画像も掲載されています)
→ https://ameblo.jp/gin-nami/entry-12885347369.html
なお、前回のニュースで述べた(1本目はこちら・・①肺がん、CT画像も掲載されています)
→ https://ameblo.jp/gin-nami/entry-12885253156.html
です。
今回も、「②卵巣がん」の方について、以下に院長ブログから引用してご紹介します。
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〔症例2396〕卵巣がん
40歳代、女性。卵巣がんの術後、補助化学療法を勧められたが希望されず、自家がんワクチンを導入し、その後は経過観察となった。
その1年半後、20mmの骨盤内転移巣が確認された。標準抗がん剤治療を希望されなかったため、副作用の出ないレベルの低用量化学療法(TC療法=タキサン+白金製剤。他に、アバスチン、イリノテカン等)を開始するも、治療効果に乏しく、病巣は増大し、最大径30mmに達した。
病巣はこの時点で単発病変で、オリゴ転移(注※)と判断された。
薬物療法の効果が芳しくなかったこと、病巣はこの時点で単発病変であったことから、放射線治療が選択された。
照射病巣は徐々に縮小し、やがて瘢痕状になり、ほぼ消失した。
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(注※)オリゴ転移の“オリゴ”とは“少ない”という意味です。そのためオリゴ転移とは、限局的で少数個のがんの転移のことをいいます。転移巣の数が1~3個くらいまでをオリゴ転移とする医師が多いようです。
とはいえ、卵巣から離れた臓器に遠隔転移が認められた時点で、ステージIVであることを示しています。
ここで、オリゴ転移と診断したとしても、その時点では、画像で確認できない潜在的な転移巣があるかもしれないことを念頭に置く必要があります。
(「画像で確認できない潜在的な転移巣」が、今回の放射線照射からはずれたオフターゲットとなります。)
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(以下のブログのように、院長は、再々発が心配だったのでしょう、心情が吐露されています。)
骨盤内転移巣が消失した後,とりあえずは,これでOKです.
しかしながら,その後も再々発が起きてくる可能性は十分ありますので,注意深い経過観察が必要です.
近いうちに,腹膜播種やがん性腹水貯留などが出てくるのではないかと懸念していました.
また,抗がん剤治療が今ひとつパッとしなかったため,次に再々発してきたら,どうしたものかとも思案していました.
そうした思いをよそに,その後再々発をきたすことなく,今年で術後再発治療から“10年” **が経過しました.さすがに「根治」でいいでしょう.
(注**: 卵巣がんでは、一般的に術後5年間再発しなければ「根治」したと考えられています。再発した卵巣がんでも、その治療後5年間再々発しなければ「根治」したとされます。)
さて,本症例の振り返りですが,
1:幸運にも純粋なオリゴ転移の症例で,(画像で見える)転移巣は照射した骨盤内転移1箇所だけだったので,放射線照射でその部位を潰すことで根治した.
2:自家がんワクチンで,特異的細胞性免疫が活性化している状態(遅延型免疫反応テストで確認済み)に放射線治療が併用されたことで,アブスコパル効果が発現し,(画像では見えなかったが)体内に残っていたがん細胞を駆逐して根治に至った.
医学的に不確実なところがあるため確証とはいきませんが,根治に至った理由として前述2つの推察をしてみました.
まぁ,患者さんが治ったので結果オーライです.
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がん診療医である院長先生が、再々発を懸念していた状態の患者さんに、最終的に「根治」との診断をだされました。
これも「自家がんワクチン」の実力のうちですね。
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より長く生きられるという安心感を!
You Tubeで【自家がんワクチンとは】をご覧ください。
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