欧州では、長い歴史がある動物愛護運動* から発展した動物実験反対運動が激化していて、それが世界に波及しつつあります。
* イギリスでは1876年に「動物虐待防止法」が制定されています。
2025/10/10、日経バイオテクONLINE にて、以下のニュースが発信されました。
| 米国立衛生研究所(NIH)は、標準化したオルガノイドモデルの開発を支援する「Standardized Organoid Modeling:SOM」センターを設立する契約を締結したと発表しました。最初の3年間で計8700万ドル(約129億円)を投じ、動物モデルに依存せずに研究開発に活用するため、再現性のあるオルガノイドを作製する新しいアプローチ方法論を確立する方針です。 |
(注:オルガノイドというのは、体外で培養する細胞群を組み合わせて、臓器(オルガン)を模した組織を体外で作製したものです。培養細胞ならぬ「培養組織/培養ミニ臓器」と言えます。)
この予算額の巨大さをみると、米国では、トランプ政権による激烈な国家予算削減中にもかかわらず、本気で、米国の生物医学研究の方向性を大きく変えようとしていると考えられます。
NIHはこのセンターを「動物実験からの脱却」、「公共投資の有効活用」、「科学的再現性の向上」といった観点から戦略的に位置づけており、予算確保の優先度が高いとしています。
(注:米国ではFDA近代化法2.0(2022年)により、医薬品開発における動物試験義務が廃止されました)
弊社が開発している「自家がんワクチン」のような免疫反応を利用するがん治療法では、実験動物の代表例であるマウスと、がん治療の臨床現場や臨床試験でしか出会えないヒトでは、がん細胞を殺せる細胞性免疫反応の実態が異なります。
すでに平成31年3月8日付で厚労省から発出された「がん免疫療法開発のガイダンスについて」(薬生薬審発0308第1号)の別添の8ページにある 「③ 免疫反応」 では、
| がん免疫療法治療薬の臨床試験での免疫反応の評価は極めて重要である。動物モデルでの非臨床試験では免疫反応が、ヒトとは異なり適切な評価は困難なことが多い。 |
と指摘されています。 この動物モデルとヒトとの違いが、マウス実験では大成功したがん治療法であっても、ヒトでは全然役に立たないという結果が頻繁に起こる原因の一つとなっています。
本邦でも、ヒト培養細胞を用いたオルガノイドの開発は盛んにおこなわれていますので、やがては、新薬の候補品について、「動物実験によるその作用メカニズムを明らかにしなければ承認しない」という、
1) 一部の伝統的な実験薬理学を根拠においた考え方
は、いずれ消滅していき、
2) ともかくもヒトで有効で、しかも安全なら良いではないか
という考え方にシフトしていくだろうと推定されます。
弊社の「自家がんワクチン」は、2001年の弊社設立以来、既にこの2)の考え方に従って開発中です。
これまでの臨床データでは、「自家がんワクチン」の接種によって起こる重大な副作用はほとんどなく、非常に安全なことが示されています(**)。
(**:具体的な安全性データを知りたいという方は、どうぞ遠慮なく、メールにて弊社までお問合せください。こちらです。→ E-mail: tkb-lab@cell-medicine.com )
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