今夏、長年甲状腺乳頭がんで再発を繰り返していた患者様で、別途にすい臓がんも発症された方が、
自家がんワクチン療法と一時的な抗がん剤TS-1の併用で、両方のがんとも無再発となり、「有効」と診断された方を当社データベース上で発見しました。
代表的ないわゆる“ダブルがん”の方ですので、当社との応答を含めて、ご紹介します。
〔症例3901〕70代、男性
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1999年8月 甲状腺乳頭がん(thyroid papillary carcinoma)の右側のみ切除
2007年7月 同、左側も切除
2007年8月 米国 UCLAメディカルセンター にてアイソトープIodine131 (150㎜ curie)による放射線治療実施。
その後10年間再発無し。
2017年12月 甲状腺乳頭がん再発のため、韓国でラジオ波焼灼療法(RFA)を受診。
その後繰返しRFA 治療
2022年10月 すい臓に異変(PETで発見)
2023年 3月 すい臓がん(Adenocarcinoma)との診断
2023年 5月 すい臓がん手術
2023年 6月 (すい臓がん手術退院後)、気管に浸潤しているためそれ以上のRFA治療は中止
2023年 7月 抗がん剤TS-1投与開始。
2023年 8月 TS-1がきつい、もうやめたいとの訴え。
2023年 9月 すい臓がんを原材料にして自家がんワクチンを製造、1コース目の治療を実施
2023年12月 2コース目の治療中。自家がんワクチンと抗がん剤TS-1併用。順調に経過しているとの報告あり。
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この間、当社へ「甲状腺乳頭がんがすい臓に転移する可能性」について、問い合わせがありました。
確かに、可能性については完全に否定できるものではありませんが、当時の当社側の回答は、
→(回答)
お問い合わせの件、お答え申し上げます。
弊社では、これまでの自家がんワクチン療法は3900例を越えていますが、未だ、甲状腺乳頭がんがすい臓に転移した例を経験したことがありません。また、臨床サイドの病理診断でthyroid papillary carcinomaであったものが、adenocarcinomaの細胞型に変化したという例も聞いたことがありません。
3900例という乏しい経験の範囲しかありませんが、これから推定しますと、患者様の場合は、甲状腺乳頭がんの膵転移ではなく、すい臓がんが独立に発生したと推定されます。
膵臓がんが持っていると考えられるがん抗原と、甲状腺乳頭がんが持っているがん抗原は大きく異なると推定されるため、恐縮ですが、現在治療中のすい臓がんに対する自家がんワクチンでは、甲状腺乳頭がんへの治療効果は期待できないと思います。
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2024年3月
ご本人より「それでは甲状腺乳頭がんに対する自家がんワクチンの投与をすれば気管に浸潤しているガンと再発を繰り返しているがんに対して効果がありますでしょうか?
現在投与治療中のすい臓癌に対する自家がんワクチンの治療には影響はないでしょうか?」
との質問をいただきました。
→(回答)
再度お問い合わせいただき誠にありがとうございました。
はい、転移・浸潤しているのが甲状腺乳頭がん由来の転移がん細胞であれば、もとの再発を繰り返している甲状腺乳頭がんを原料にした自家がんワクチンの投与によって、気管に浸潤しているがんに対する免疫が活性化できる可能性があります。ただし、臨床的に効果が得られるかどうかは予測する方法が無いので、投与して経過を見るしかありませんことをご了承いただければ幸いです。
甲状腺乳頭がんを原料にした自家がんワクチンの、すい臓がんに対する自家がんワクチン治療には影響は無く、併用可能と考えられます。
ということで、この方は、甲状腺乳頭がんを原料にした自家がんワクチンも追加で受診されました。
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2026年5月
自家がんワクチン療法を施行した主治医より、「約3年経っても再発無しなので、良く効いていると思う」との連絡がありました。
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以上のような経過から、この方の場合は、いわゆる“ダブルがん”でも、自家がんワクチンをそれぞれのがんに対して製造・投与したことにより、結果的に「有効」との診断がでてきたと考えられます。
もし運悪く、体内で 2種類のがんが別々に発生したとしても、恐れることなく個別に自家がんワクチンにて対処すれば治療できる可能性があることが、この症例からわかります。
(なお、2種類のがん組織を混合して、自家がんワクチンを製造することも可能です。)
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