2015年4月17日に、弊社も共同研究に参加した新論文が、 光ヶ丘診療所(千葉県柏市)から発表されました。
こちらです → https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ccr3.279/abstract
(注:この論文は、Wiley Online LibraryのEarly View版から、Clinical
Case Reports誌のVol. 3, Issue 5に掲載される予定です)
対象となった患者様(CMI1680)は、C型肝炎ウイルス感染歴があり、肝がんの初回手術から再発を4回繰り返し2回目の手術を受けた方です。
しかも再発間隔が51ヶ月, 28ヶ月, 12ヶ月, 4ヶ月とどんどん短くなって、ついに主治医から肝臓移植を勧められたほどでした。しかし移植を拒否、自家がんワクチン療法を1コースだけ受診されました。
自家がんワクチン接種後は、現在まで(32ヶ月間以上)無再発です。
この間、肝細胞がんではたびたび検出される特徴的ながん抗原分子、グリピカン3を目印にして肝がん細胞を殺す強力なキラー細胞、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が血中に出現していました。ワクチン接種12ヶ月後に確認されています。
自家がんワクチンは、手術後ホルマリン固定され病理診断に廻された後に余ったがん組織を原料としていますので、実際には、どんながん抗原分子がそこに含まれているかは全く問題にしておりません。がん組織でありさえすれば、必ず正常組織とは異なる分子(がん抗原になり得る分子)が含まれているからです。
今回の論文では、患者様本人のがん組織中の星の数ほどある分子群のなかで、確かな肝がん抗原の一つとして既に同定されていた分子(グリピカン3)に対して、明瞭に反応できる患者様本人の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が自家がんワクチン接種によって出来ていたことを示す初めての論文です。
これによって、自家がんワクチンは “怪しげな” がん免疫療法ではなく、患者様本人の体内でがん抗原分子に立脚した細胞性免疫反応を誘導できるという、科学的な基盤に立脚したがんワクチンであることを示しています。
この論文を掲載した学術誌を発行しているJohn Wiley & Sons社は、国際的に有名な学術出版社です(→ https://www.wiley.co.jp/ )。
今回の論文発表を主導した光ヶ丘診療所は、「身近な“ホームドクター”」をアピールしている院長一人の小さな診療所です。大型総合病院のような入院施設や超高額機器類はありません。
そのような街角の小型クリニックでさえ、自家がんワクチンというどこでも実施できる最先端の医療技術を手にすれば、世界に伍してハイレベルの臨床論文が出せるのですね。
このニュースをご覧になった方は、ご自身のホームドクターに、自家がんワクチンのお話しをされてみてはいかがでしょうか。