「 12月1日 WMの憂鬱。抗PD-1抗体の「Opdivo」がとうとう悪性黒色腫のファーストラインとして米国で2015年11月24日に認可された。遅ればせながら気づきました。がん免疫療法はやはりがん治療を変革するエンジンです。」
というツイートが、https://twitter.com/miyatamitsuru の 日経BP WMの憂鬱 12月1日 の項に出ています。
“ファーストラインとして”とは、他の抗がん剤治療などに優先して、最初に治療薬として使うべきだ、と公認されたということです。
この元をたどると、
https://www.bms.com/jp/media.html
に、
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ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、オプジーボ(ニボルマブ)について未治療のBRAF 野生型の進行期悪性黒色腫患者の単剤療法として米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表
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と記載されています。
治療が非常に難しい皮膚がんである進行悪性黒色腫(メラノーマ)で、化学療法薬(ダカルバジン)との比較評価を行った第Ⅲ相臨床試験の結果、オプジーボの方がダカルバジンよりも良く効くことを米国FDAが認めた、単剤療法として実施してよろしい、ということですが、
言いかえれば、
“がん免疫療法がついに従来型抗がん剤を乗り越えた”
ということでもあります。
筆者は、まだまだ従来型抗がん剤でも、使い方次第では有用だと考えていますが、それでも、本邦のがん治療の臨床現場では、つい最近まで(少なくとも2014年7月4日のオプジーボの承認の前までは)がん免疫療法は「怪しげな治療法」の代表例として、徹底的にバカにされてきたことを思えば、とうとう抗がん剤を抑えて、トップに躍り出たがん免疫療法が現れたことに感慨を禁じ得ません。
なにしろ、弊社の提携医療機関が、ある大学病院の化学療法センターより頂いた診療情報提供書には、
「免疫療法はエビデンスが乏しく、「祈祷」に近いもの」
という内容が記載されているほどだったのですから。